アパート経営【不動産会社6つの探し方】不要な手数料や入居者とのトラブル回避術

アパート経営をスタートする際には、まず物件を管理してくれるいい不動産会社を探さなくてはなりません。でも探しかたってわからないですよね。
アパート経営には苦情やトラブルがつきもの。不動産会社(管理会社)には、しっかり対応してもらいたいです。
だけど、態度の悪い管理会社や口コミ評判のよくない会社、管理委託料など手数料の高い会社もあります。
任せっきりにして、泣き寝入りしているオーナーさんもたくさんいます! あなたはそんな失敗しないでください。そこで、今回『あぱたい』が、よい不動産会社を探す6つのポイントをお伝えします。
さらに宅建士である筆者の経験も踏まえて、管理会社とのトラブルを回避する方法について詳しく解説します。
すぐに不動産会社の探しかたを知りたい人はこちら>>不動産会社の探しかた6つのポイント
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アパート経営に不可欠!いい不動産会社とは
アパート経営には、不動産会社のサポートが不可欠。ですから、物件の管理をしてくれる「管理会社」と、入居者募集をおこなう「仲介会社」をなるべく早く探さなくてはなりません。
まずは管理会社と仲介会社が、具体的にどういったサポートをしてくれるのかを知っておきましょう。
賃貸管理会社
管理会社は文字どおり、アパートの管理をしてくれる不動産会社です。管理の範囲は下記のとおり。
管理会社とのサブリース契約とは
サブリースとは、管理会社がアパートを一括で借りあげ、入居者に転貸する賃貸契約です。管理会社が入居者をみつけてくれ、さらに長期間の家賃保証がつきますから、サブリースは瞬く間に普及しました。
通常の「管理委託」と違い、サブリースは管理会社が入居者と賃貸契約を結びます。そのうえで物件の管理も一括でおこない、管理料を差し引いた家賃を大家に支払う仕組みです。
賃貸仲介会社
仲介会社は、入居者の募集・内見客の対応・契約だけをおこないます。契約後の入居者管理は、管理会社の管轄です。
以前は店舗に貼られた物件情報をみたお客さんとのやりとりでしたが、現在はほぼインターネットによる募集に変わりました。仲介会社は不動産会社だけが閲覧できるサイトや「SUUMO」のような大手ポータルサイトに物件を掲載します。
賃貸契約が成立したら、仲介会社は「仲介手数料」を受け取り、業務は完了です。
入居者募集依頼するなら、一般媒介・専任媒介どっち?
基本的な考えかたとしては、いったん契約を結んだらほかの業者と取引きできない、「専任・専属専任媒介」が1番おすすめ。
ただし、売却と違い賃貸は手数料が少ないので、専任でもあまり積極的に動いてくれないことがあるかもしれません。
そういうときは、一般媒介で地域の仲介会社に広く営業をかけたほうが、案外早く入居者が決まったりするものです。
不動産会社に入居者募集を依頼する場合、媒介契約を結びます。媒介契約には3種類あり、それぞれできることが違いますから、しっかりと内容を理解しておいてください。
媒介 | ほかの業者への依頼 | 大家がみつけてきた借主との取引き | レインズへの登録義務 | 顧客への業務報告義務 | 契約期間 |
一般媒介 | ◯ | ◯ | なし | なし | なし |
専任媒介 | × | ◯ | 7日以内 | 2週間に1回以上 | 最長3か月 |
専属専任媒介 | × | × | 5日以内 | 1週間に1回以上 | 最長3か月 |
不動産会社の探しかた6つのポイント
1.物件管理と入居づけどちらにも強い不動産会社を選ぼう
先ほど管理会社と仲介会社をわけて解説しました。しかしできれば、管理と仲介のどちらにも力を入れている不動産会社に、一括で依頼するのが理想的です。
上図の「管理会社」は物件の管理もしますが、同時に仲介会社も兼ねています。管理は自社内での調整だけで済みますが、入居者募集はほかの業者との折衝がとても重要です。
ですから交渉力のある、「入居づけ」もしっかりとこなせる管理会社を選ばなくてはいけません。
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2.大手・地元密着どっちがいい
大手と地元密着、どちらも「管理・集客」と、やることは一緒です。
特に集客は「レインズ」という不動産会社のみが閲覧できる情報サイトで、物件情報が共有されていますから、会社の規模はあまり関係ありません。
ただ、会社の規模によって「向き不向き」が発生する場合があります。両者をしっかりと比較して、自分と相性のいい会社を選んでください。
項目 | 大手 | 地元密着 |
メリット |
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デメリット |
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3.インターネット集客に積極的かどうか
今は事前にインターネットで物件情報を徹底的にリサーチします。ですから「SUUMO」や「LIFULL HOME’S」のような大手ポータルサイトを積極的に利用していない会社は、その時点で対象外です。
また、物件の情報・契約情報(敷金・礼金、保証会社利用の有無など)・画像が充実していないと、これまた選択肢から除外されてしまいます。できれば自社サイトも充実させてほしいところですね。
【主な賃貸ポータルサイト】
「SUUMO」https://suumo.jp/
「LIFULL HOME’S」https://www.homes.co.jp/chintai/
「アットホーム」https://www.athome.co.jp/
「CHINTAI」https://www.chintai.net/
4.入居率が高い
アパート経営の要は、「いかに空室を出さないか」です。空室さえ出なければ、アパート経営が破綻することは基本的にありません。
当然、入居率は高ければ高いほどいい、ということになります。そこで、各管理会社はこぞって入居率をアピールするわけなのですが、こういった数字をあまり盲信するべきではありません。
入居にカウントされていても、実際にはフリーレントでの入居で、収入が発生しないこともありえます。また、大手管理会社の場合は、そもそも自社建築物件の割合が非常に多いです。
純粋に管理能力を評価されての委託とは限りません。
もちろん、入居率が高いに越したことはないのですが、それよりも「なぜ入居率が高いのか」その理由をたずねてみましょう。
その会社の管理に対する方針が、おおよそみえてくるはずです。
5.会社/担当社員の対応がいい
抽象的なようですが、会社の雰囲気は挨拶や電話の応対などに、なにげなく表れるもの。これから長期間おつきあいをする会社の雰囲気は、とても大事です。
しかし、それ以上に重要なのが、「担当者との相性」でしょう。実際のやりとりは、基本的に担当者とだけおこないます。ですから担当者の態度が悪いと、どんなに会社がよくてもいい関係は築けません。
大手管理会社は担当者の入れ替わりが激しい傾向にあり、本当の意味での信頼関係構築は、少々むずかしいかもしれません。
かといって小さい管理会社であれば、そもそも従業員が少ないですから、トラブル時には管理会社ごと変えることもありえます。
いずれにしても、実際に社員と面談をするのが1番です。いくつか面談するうちに、きっと相性のいい会社がみつかるでしょう。
6.口コミなど、評判がいい
インターネットの口コミサイトやTwitterなどを利用して、不動産会社の評判を事前に確認しておくのも悪くない方法です。
口コミはその特性上、どうしても不満や苦情が多くなります。あまり過度に信頼しすぎるのも問題ですが、それでも会社の雰囲気を掴むには十分役に立つはず。
口コミサイトに載らないような地元不動産会社の場合は、友人や知人に評判をたずねてみると、案外リアルな評判が聞けるかもしれません。
こんな不動産会社には注意!よくあるトラブルと対処法
相性のいい不動産会社をみつけることができたとなると、今度は「管理会社とのトラブル」について気になってくるものです。
なにしろ相手のほうが知識も経験もありますから、トラブルになったらうまく丸め込まれてしまうのではないかと不安でいっぱいです。
なかなか空室が埋まらない
アパート経営にとって空室は、非常に深刻な問題です。空室がつづく間は家賃が入りませんから、ローン返済にも悪影響を及ぼします。最悪の場合は、ローンが返済できずに、アパートを手放すことにもなりかねません。
空室の原因に関しては、そもそも物件に問題があるのか、それとも管理会社の対応に問題があるのかをしっかりと見極める必要があります。
下記のような原因であれば、それは大家側の問題です。 しかし、 といった原因が当てはまるのであれば、これは間違いなく管理会社の責任です。
不動産会社の対応が悪い
口コミサイトをみると、「故障やクレームに対して迅速に対応してもらえない」「共用部がいつも汚い」など、いかに管理会社への不満が多いかを痛感させられます。
管理を委託していると、入居者と大家が直接コンタクトをとる機会がほとんどありません。ですから、そういった不満がなかなか大家の耳に入らず、改善が遅れる原因となっているのです。
正直にいって、こちらがお任せの姿勢でいると、相手はこちらをなめてくることがあります。どうせ文句はいってこないだろうと、対応を後回しにしていることも決してゼロではないのです。
空室対策に1番有効なのは、既存の入居者にできるだけ長く住みつづけてもらうこと。管理会社の対応に問題があるようならば、すぐに管理会社と話し合ってください。
家賃がきちんと振り込まれない
先ほどは入居者とのトラブルの話でしたが「家賃の振り込みが遅い」「家賃滞納への対処がイマイチ」など、大家に対しての対応が悪い場合もあります。
この場合は、管理会社の経営状況が悪化していることも考えられますから、早急に管理会社の変更を考えたほうがいいかもしれません。
ひんぱんに家賃の振り込みが遅れだしたら、すぐに弁護士へ依頼して警告してもらいましょう。それでも改善されなければ、最終的には法的手段に訴えるしかありません。
同時に次回の家賃から大家へ直接振り込むように、大家もしくは弁護士から入居者へ早急に告知してください。
手数料が高い
手数料が高いのではないかというのも、よく耳にするトラブルのひとつです。ただし、通常は高くても家賃×10%程度が多く、13%くらいまでであれば許容範囲でしょう。
会社によっては、パーセントを低くする代わりに、ほかの名目でさりげなく水増ししていることもあります。
いずれにしても、こういったトラブルは、大家側がきちんと契約書を確認していれば防げるはずです。わからない項目があればうやむやにせず、必ず確認してから契約するようにしましょう。
サブリースの保証トラブル
サブリースとは、一括借上げのあとで管理会社が入居者に転貸する賃貸契約。上図のように、滞納時や空室時に家賃保証してくれるのが大きな特徴です。
通常30年前後の保証が多いですが、2年ごとに保証額見直しがあるため、トラブルになりやすい管理形態でもあります。
しかし、こういった内容も含めて契約書にすべて記載されていますから、不満があっても法的に大家が勝てる見込みはまったくありません。対応策としては、まずそもそもサブリース を利用しないのが1番です。
ただしサブリースは、時間がとれない人にとって、メリットも少なくありません。その際は、途中で保証が打ち切られるリスクなども、しっかりと理解したうえで契約してください。
サブリースの詳しい記事はこちら>>空室対策にサブリースを活用【おすすめ会社5選】意外と知らないリスク回避3つの方法
不動産会社に支払う費用はいくら?
管理会社へ支払う管理委託料
管理委託料は、「家賃×%×戸数」という「定額方式」で支払われるのが一般的。
利率は管理会社によって若干違いますが、おおよそ「5〜10%」と考えておけば大丈夫でしょう。
仮に家賃8万円の部屋が10戸あれば、毎月の委託料は4万円(5%で計算)になります。
共用部の清掃を清掃業者に別途依頼する場合は、契約内容や頻度によって金額が決まります。業者ごとにプランと料金は違いますが、単身アパートの場合、月1回おおよそ5,000〜1.5万円が相場です。
共用部の清掃についての詳しい記事はこちら>>アパート経営の掃除は大家がした方がよい4つの理由【自分と清掃業者との比較表付き】
仲介会社に支払う仲介手数料
仲介手数料は物件管理委託料とまったく違いますので、覚えておきましょう。
- 契約が決まった場合のみ発生する「完全成功報酬」
- 上限が「家賃の1か月」と法律で定められている
- 仲介業務で発生した費用を別途請求することは、基本的にNG
画像引用:公益財団法人不動産流通推進センター 賃貸借の仲介(媒介または代理)で不動産会社が受け取ることができる報酬額
本来仲介手数料は、大家と借主が0.5か月分ずつ折半するべきもの。しかし、慣習として、借主が全額負担する場合がほとんどです。
「物件管理と入居づけどちらにも強い不動産会社を選ぼう」で説明したように、大家は仲介会社に入居づけを依頼します。
物件を管理する管理会社(仲介会社も兼ねることがほとんど)に依頼することもあれば、大家が直接複数の仲介会社に依頼を出すケースもあります。
広告料の詳しい記事はこちら>>空室対策に強い仲介業者の選びかた【ADの裏技と仲介会社を通さない裏技】
まとめ
アパート経営は、いかにいい不動産会社をパートナーにできるかにかかっているといっても過言ではありません。
そのぶん、相性のいい不動産会社を探すのには、ちょっとしたコツが必要です。今日「あぱたい」が解説した6つのポイントをもとに、どんな考えかたをしている会社なのかをしっかりと見極めましょう。