アパート経営の返済比率や返済期間は35年?失敗を防ぐローン返済できないときの3の方法

アパート経営の返済比率や返済期間は35年?失敗を防ぐローン返済できないときの3の方法

パートローンの返済ができなくなるとき、無理のない返済方法や適切な金利タイプや返済期間を選択していたのでしょうか? そもそもシミュレーションは正しいものだったのでしょうか?

一番大切なことは、返済困難な状況をどのように克服するかはアパート経営や、不動産投資の基本です。

アパートローンの返済が滞るようになったときの対処法、 失敗したとき のことを考えて返済期間の変更や任意売却、返済比率など知っておくのも大家さんには必要なこと。

知っておきたい “ローン滞納対処法” を「あぱたい」がお知らせします。

アパートローンと住宅ローンの違いは?

アパートローンと住宅ローンの違いは?

  • 住宅ローンは自身が居住するための住宅を購入する資金として融資するもの
  • アパートローンは不動産投資を目的とする人に対し、アパートの購入資金として融資するもの

融資にあたっては金融機関の審査があり、住宅ローンは本人の年収や職業など「返済能力」を主に審査し、団体信用生命保険に加入できるかなど健康状態もチェックされるのです。

あぱたい王子
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また返済期間が長い商品だと35年が一般的で、申込年齢制限や完済年齢の制限もあるよ。

アパートローンは本人の属性に加え、アパートの収益性や担保価値を評価して融資限度額が決められています。物件の築年数にも制限があり、あまりにも古い物件は融資対象外になることがあるのです。

アパートローンに関してはこちらの記事も参考にしてください>>「アパート経営ローン(融資)で差が出る活用法5つ! 返済できない等を避ける3つの注意点」

 

アパートローンの返済方式は?

アパートローンの返済方式は?

返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。

返済期間が短い場合は、総返済額が低くなる「元金均等返済」を選択するケースもありますが、ほとんどのアパートローンは「元利均等返済」を選択することが多いでしょう。

あぱたい王子
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借金の返済方法はこのふたつが基本です

元利均等返済

元利均等返済

元金の返済分と金利の返済分を合計した金額が均等になるように、毎回返済する元金の金額を調整した返済方法が「元利均等返済」。

返済の初期は元金分がわずかで金利分が多くなり、返済するたびに元金返済分が少しずつ増加し、最終回の返済では元金分がほとんどで金利分がわずかになります。

トータルの返済金額は元金均等より高くなりますが、毎回同じ金額を返済するので計画が立てやすく、ほとんどのローンで採用されている返済方法です。

 

元金均等返済

元金均等返済

元金分の返済金額を毎回均等に返済する方法が「元金均等返済」。元金が同じ金額で減っていくので、それにともない金利分の返済金額も減っていきます。

返済初期は金利分の返済額も高いため、元利合計の金額は「元利均等返済」に比べてすごく高くなります。収入によっては返済できない金額になることもあるので、長期のローンではほとんど採用しない返済方法です。

メリットはトータルの返済額が元利均等返済より少なくなります。

 

アパートローンの金利の種類は?

アパートローンの金利の種類は?

  1. 変動金利
  2. 固定金利
  3. 固定金利選択型

金利タイプによって返済額は異なり、キャッシュフローに直接影響を及ぼします。シミュレーション時点で金利タイプによるバリエーションを検討し、自身の計画にもっとも適合する金利タイプを選択するようにしたいですね。

タシカニ
タシカニ
金利タイプの選択により返済額は大きく変わるカニ! 

1.変動金利

変動金利

銀行が貸し出す融資金の金利は、景気や物価などの経済動向と、為替レートや海外金利など国際経済の影響を受け変動するもの。

アパートローンの「変動金利型」は毎日変動する金利によるのでなく、期日を決めて金利を定期的に見直すしくみです。返済額は見直しのたびに変更します。

市場金利が安いときは返済額が少なくなりますが、金利の上昇が大きくなると返済額が高くなるデメリットに注意が必要。

 

2.固定金利

固定金利

返済期間をとおして金利が変わらないので、返済額が変わることはありません。3つのタイプのなかではもっとも金利が高くなりますが、返済額をずっと固定できることにより計画が立てやすいメリットがあります。

タシカニ
タシカニ
金利が高いので返済額は3種類のなかではもっとも高くなる

 

3.固定金利選択型

固定金利選択型

借入当初は3年・5年・10年(7年を設定する金融機関もあります)の固定期間を選択して、固定期間終了時に再び「固定金利選択型」にするか「変動金利」にするかを選ぶタイプ。

あぱたい王子
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金利は「変動金利」と「固定金利」の中間水準になります

選択する固定期間によっても金利は変わり3年固定がもっとも低く、10年固定がもっとも高くなりますが「固定金利型」よりは低くなります。

 

アパート経営でローン返済できなくなる4つの理由とは?

アパート経営でローン返済できなくなる理由とは?

シミュレーション時点でキャッシュフローや利益率をチェックすることが多いですが、「返済比率」も大事なチェックポイント。

あぱたい王子
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返済比率が50%を超えた事業計画では、空室増や家賃の値下がりによって収益性が悪化し、ローン返済に苦しむ事態になることが。

①物件価値よりも高額で購入した

アパートローンの返済ができなくなる原因のひとつが、購入したアパートの物件価値よりも高い金額で購入するケースです。

購入価格が高くなるとアパートローンの金額も高くなることが多く、頭金を多めに充当し借入額を圧縮できるなら、返済に困ることは少なくなるかもしれません。

しかしほとんどの場合、頭金はせいぜい2割、残り8割をアパートローンで調達するのが一般的です。

中古アパートの場合は相場価格という物差しがなく、売りにでている物件価格が高いのか安いのか、はっきりわからないもの。

購入を検討している物件の妥当な価格を検証するには、複数の金融機関にアパートローンの相談をする方法が有効です。

例えば3つの金融機関に審査を申込むといくつか回答のパターンがあります。

  1. すべての金融機関から満額回答がくる
  2. 「この物件だと融資できるのは〇〇〇〇万円まで」と回答をする金融機関がある
  3. すべての金融機関から希望金額には応じられないと回答される

金融機関のこのような評価は、物件価格の妥当性を判断する参考にできます。上記であれば、3の場合は物件価値よりも売値が高いと推測できるでしょう。

このほかつき合いがある不動産屋に査定をしてもらうのも方法のひとつ

物件の価値は立地条件や入居状況、物件の築年数や維持管理状態、収益性や転売可能性などさまざまな面で評価するものです。物件資料に記載されているアピールポイントを鵜呑みにしないよう、慎重に判断したいですね。

 

②アパート経営にかかる費用を計算していなかった

アパート経営は物件取得後もいろいろな費用がかかるものです。「必要経費」とひとくくりで表現しますが次のような費用があります。

  • 修繕費
  • 仲介手数料
  • 管理委託費
  • 共用電気料
  • 火災保険料
タシカニ
タシカニ
さらに利益には「所得税」が課税され納税義務もあるカニ

このような費用を正確に予測してシミュレーションに反映させなければ、事業計画に狂いが生じ資金ショートすることになりかねません。

綿密なシミュレーションにもとづき事業をスタートさせても、アクシデント的に発生する修繕工事や、予想外の空室増など予測が外れてしまうのがアパート経営です。

突発的な出費に対応できる余剰資金が不足している場合は、アパートローンの返済ができなくなる可能性が大きくなります。

 

③サブリース契約で失敗

家賃保証のついたサブリース契約を前提に、アパート経営をはじめるケースもあるでしょう。サブリース契約に必ず盛り込まれている「家賃見直し条項」。

短いものなら契約2年後に家賃の値下げを要求されることもあります。10年間は大丈夫と思っていた家賃収入が3年目から目減りすることもあるでしょう。

返済比率の高い経営内容では、数パーセントの賃料変更でも大きな影響を受け返済が困難になる可能性が。

サブリース提案書に書かれた “甘い前提” を真に受けず、もしもの場合を想定したシビアなシミュレーションにもとづいた判断が大切です。

関連記事

空室対策にサブリースを活用【おすすめ会社5選】意外と知らないリスク回避3つの方法

④余剰金を用意していなかった

余剰金が少なく突発的な修繕費がひびいて、資金ショートし返済が困難になるケースです。

フルローン可能な物件やオーバーローン物件など、自己資金のわずかな状態でも購入可能な物件では、余剰金なしで経営を開始することがあります。

返済比率が高い場合はキャッシュフローが少なく、突発的な修繕費に対応できません。余剰資金の必要性はシミュレーション以前の問題です。

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頭金なしでアパート経営【暴露】フルローンで始める4つの条件とリスクを減らす不動産投資とは

 

アパート経営でローン返済ができないときにとる3つの方法

アパート経営でローン返済ができないときにとる3つの方法

  1. 返済方法を変更して少ない返済額にするリスケジューリング
  2. 強制的に売却される競売より有利な任意売却
  3. 任意売却でも解決できない場合の債務整理

滞納の初期から金融機関が法律にもとづく債権回収をおこなう段階まで、およそ6ヶ月から1年。できれば滞納がはじまる前あるいは滞納初期の時点で、いずれかの方法によりローンの整理や解消する決断をすることが必要です。

あぱたい王子
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アパート経営が失敗したと気づいたときは早目の行動が大切! 

1.リスケジューリングの相談をする

リスケジュール(リスケ)は返済期間を延ばしてもらったり、一定期間を金利のみ支払いするなど、金融機関に返済条件変更を交渉して決定します。

時期としては「返済が苦しく延滞しそうだ! 」と感じるようになったら、できるだけ早く金融機関に相談しましょう。

あぱたい王子
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滞納履歴が重なると相談に乗ってもらえません。早目の行動を! 
タシカニ
タシカニ
なにもせずに放っておくのが最悪カニ

リスケのメリット

月々の返済額を減額できることが最大のメリットです。

減額する方法として、

  1. 返済期間を延長する
  2. 期間限定で返済額を減額しのちに差額を補填する
  3. 期間限定で返済額を減額しのちに返済期間を延長する

リスケは金融機関が認めてくれなければできないことですが、次の条件を満たすと認めてもらえる可能性があります。

  • リスケ申込時点での延滞がない
  • 資金不足の理由が一時的なもの
  • 返済額減額期間をすぎると正常に戻る合理的な根拠がある
  • 新たに借入をする予定がない

 

リスケのデメリット

リスケはメリットだけでなく次のようなデメリットもあります。

  • 金融機関の与信が下がり次の融資が受けにくくなる
  • 有利な条件のローンへ借り換えができない
  • リスケの条件として保証人追加や追加担保が必要になる
  • 金利の引上げが条件となる可能性もある
  • 期間内に経営状態の改善ができず「破綻懸念先」になると、以降のリスケは応じてもらえない
  • 資金不足が根本的な原因なのでアパートの維持管理レベルが低下する

 

2.任意売却を検討する

強制的に売却されるわけでなく、債務者の判断で売却するので「任意売却」と呼ばれます。住宅ローンの滞納案件では広く用いられている方法です。

実際の売却実務をおこなう不動産業者も慣れていますし、金融機関側も不良債権の解消方法として浸透しており、通常の不動産売買とほとんど変わりなく手続きが進んでいきます。

任意売却のメリット

任意売却は「競売」に比べると次のようなメリットがあります。

  • 売却価格が相場よりも極端に下がらず競売より高く売れる
  • 近隣や入居者に知られることがない
  • 売却後に残る債務の返済について協議することが可能
  • 担保不動産収益執行による賃料差押えの可能性が低い

 

任意売却のデメリット

任意売却のデメリットは通常の売却に比べて次のようなことがあります。

  • 売却時期を選べない
  • 新規融資が受けられない
  • 売却後に残債務が残り返済を継続しなければならない
  • 期限内に売却できない場合は「競売」になる
  • 共同担保がある場合は共担物件の売却もしなければならない
  • 保証会社の代位弁済を受けてからの手続きなので「信用情報機関」に記録が残る

 

3.債務整理

リスケジュールや任意売却で解消できない場合に選択する方法です。

「任意整理」を選択するのは、こちらのほうが有利な条件で交渉できそうだと判断できるときに限られるので、アパートローンの整理方法として一般的ではありません。参考までに「債務整理」のひとつとして解説します。

任意整理

任意整理には時系列的にふたとおり、

  1. 任意売却後の残債務に関する返済方法を対象とした債務整理
  2. アパートを売却せずにおこなう債務整理
あぱたい王子
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ここでは2番目の「アパートを売却せずにおこなう債務整理」について説明します

任意整理は法的な手続きによらないで、話し合いによる解決を目差す方法。債権者に対し直接債務者が任意整理を申出ても、相手にされることはありません。弁護士に委任するのが一般的。

債権カット」を金融機関に提案し合意に持ち込むのですが、「債権カット」は金融機関の損失も大きく、簡単に話がまとまることはありません。逆に債権カットが成功すると借入金のかなりの部分が減少するので、アパートローン返済は各段に楽になります。

金融機関にとっては、競売手続きのほうが手間をかけずにすみ、簡単だと判断する場合が多いことを忘れてはなりません。

アパート物件が複数あり優良物件を交渉する金融機関に乗り換えるなど、金融機関側になんらかのメリットがなければ、応じてくれる可能性は低いでしょう。

 

個人再生

個人再生は任意整理と異なり “法律にもとづいた債務整理” です。アパート経営者が個人再生を申立てる場合は「小規模個人再生」になります。

小規模個人再生は個人事業を営んでいるひとが対象で、以下の要件が整わなければできません。

  1. 債権者の同意が得られること
  2. 再生計画を実行できる継続または反復する収入があること
  3. 住宅ローンを除く借金が5千万円未満

アパートローンが5千万円未満であり、家賃収入が満室ではないにしてもいくらかでもある場合、債権者の同意があれば法律にもとづいた再生計画が可能です。

アパートオーナーがアパートローンの返済に窮している場合、自宅の住宅ローンも返済がむずかしくなっていることが考えられます。

個人再生には債務返済計画において、債権者に優先順位をつけないこと、つまり「債権者平等の原則」があるのです。

この原則によりアパート経営に関わる借金も、自宅の住宅ローンも平等に扱うのが原則です。そこで住宅ローンだけを別扱いして、返済計画を立てることができる「住宅資金特別条項」を個人再生申立てに盛り込むと、マイホームを手放さずにすむ可能性があります。

ただし、マイホームを守るためにほかの債権者の債権を毀損することになり、個人再生に同意が得らない理由になる恐れもあることに注意が必要です。

 

自己破産

任意売却が成立しないあるいは、任意整理や個人再生でも債務整理が不可能な場合、すべての借金を清算する「破産申立て」を選択する。これは最後の手段です。

任意売却が成立し大部分の債務がなくなっても、残債務の返済について債権者との話し合いがつかず、厳しい返済を迫られるケースも。このような場合も「自己破産」を選択するほうが楽だと判断することがあります。

破産が認められると債務はなくなりますが、財産もすべて処分し債務の弁済に充てるのです。

アパートはもちろん自宅を所有していると、住宅ローンの有無にかかわらず財産はすべて「破産財団」に組入れられ、破産管財人によって処分され債権者に配当金を分配し、すべての財産を処分し終わると破産は終了します。

破産が終了すると「破産者」としての制限がなくなり、権利や資格を取り戻し本来の法的地位を回復させることができ、これを「復権」といいます。

タシカニ
タシカニ
一般的に管財事件は復権までに1年ぐらいはかかるといわれているカニ

「破産すると公民権が停止される」といわれることがありますが、そのようなことはありません。復権までは会社の代表取締役に就任できないとか、一部の資格が停止され業務をおこなえないなどの制限はあります。

それに加えて破産が決定すると官報に氏名などが掲載されます。官報は「官報販売所」で販売されると同時にインターネット版官報に掲載され、インターネット版は30日間無料で閲覧できるようになっているのです。
一般の目に触れることはないかもしれませんが、官報による公告は覚悟しなければなりません。

 

まとめ

あってはほしくない “返済不能” 。しかし「ないとはいえない」のが現実です。

シェアハウスのサブリース事業で、多数の投資家がローン返済に窮した問題、ご存知のかたも多いと思います。

事業スタートの経緯に問題があったといえども、金融機関と締結した金銭消費貸借契約に「瑕疵」はないと考えられ、どのような事情であっても融資金の返済義務がなくなることはありません。

アパート中古市場で、任意売却あるいは破産管財物件として掲載されたものを目にすることもありました。

アパート経営は投資である以上失敗もあります。その場合の対処方法を事前に知っておくことが、リスクを最小限に抑えたより安全な不動産投資を実現する秘訣でしょう。