アパート経営のローンを借り換えるタイミング!【金利1%】の実現方法と注意点

この記事をお読みいただいているあなたは、以下のような情報を探していませんか?
アパート経営でローンの借り換えはできるの?
ローンを借り換えしたら返済額はどのくらい減るの?
返済しているアパートローンの金利が高いか低いか知りたい
その疑問、この記事をお読みいただくと解決します。
現在の金融市場は金融緩和政策による「超低金利時代」。ただ言い換えると「限界まで下げられた金利」でもあります。必ずしもアパート経営のローンを借り換えたほうがよいとは限らないのです。
そこでアパート経営専門で解説する「あぱたい」が、アパートローンの借り換えを金利比較と判断方法でわかりやすく解説!
「知らなかった! 」という人が多い情報を詰め込みました。ぜひ参考になさってください。
実は借りてる金利が「高いか低いか」判断できる基準があるカニ
「借り換えてはいけない人」についても解説するよ!
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アパートローン金利で考える!2019年以降のアパート経営でローンを借り換える「タイミング」
アパートローンの借り換えタイミングは、あなたが返済しているローンを総合的にみて決めるのがベスト。
具体的には3つの要素を確認するとよいでしょう。
- 現在のアパートローン金利が2.875%以上か
- 残りの返済期間と返済額はどのくらいあるか
- 借り換えによって得られる具体的なメリット
アパートローンの金利は、各銀行が決める「短期プライムレート」がもとになっています。短期プライムレートの水準を考えたとき、「2.875%以上」なら借り換えを一度検討してみてもよいでしょう。
では実際に、アパートローン金利が2019年時点でどうなっているかみてみましょう。
メガバンク | 地方銀行 | ネット銀行 | |
固定金利 | 2%後半~3%前半 | 4%以上 | 2%前半~3%前半 |
変動金利 | 2%台~ | 3%前半~ | 2%後半~3%後半 |
おおむね2%後半くらいが最低金利。
やはり2%後半より低い金利で借り換えできそうなら、借り換えを検討してみる価値がありそうです。
「短期プライムレート」とは?アパート経営・不動産投資の基本!
「短期プライムレート」とは、銀行が優良企業に融資するときの1年未満の貸し出し金利。住宅ローンをはじめとした、変動金利を決める際の基準です。
短期プライムレートは “日本銀行の政策金利” と “各金融機関の金利動向” によって銀行が独自に決定します。政策金利を基準にして銀行同士がお金を融通しあうときの金利が決定し、最終的に住宅ローン金利のもとになる短期プライムレートを銀行が決めるという仕組みです。
銀行同士もお金の融通をしているんだね!
「無担保コール翌日物」「無担保コールレート(オーバーナイト物)」というカニ
重要なのは「住宅ローン」「アパートローン」に対する「短期プライムレート」の関係。
- 住宅ローン:短期プライムレートに1%上乗せして、優遇金利という銀行独自のサービスで利用客を募る
- アパートローン:お金を貸す相手の業績や将来性をみて、短期プライムレートに上乗せする金利を決める
つまりアパートローンは、短期プライムレートという基準のうえで審査時の印象で金利が決定するのです。
ただローン金利の根本である短期プライムレート。実は10年前に「1.475%」になってから、これまでに一度も変わっていません。
短期プライムレートが変わらない理由は、もう下げようがない水準まで下がったからみタイ
金融市場は金利引き下げの限界を迎えているというのが一般認識カニ
よって現在の短期プライムレートになる前の金利が、アパートローンを借り換えるひとつの目安。
2007年の短期プライムレート「1.875%」だった時期にアパート経営をはじめた人は、超低金利時代の今がアパート経営のローンを借り換えるタイミングかもしれないのです。
住宅ローンは短期プライムレートに1%上乗せした金利だから「1.875% + 1%」カニ
だから2.875%がアパートローンを借り換えるひとつの判断基準になるんだね
ただでさえ超低金利の現代。世界的な金融市場動向や少しのキッカケで政策金利が上がる可能性は十分あります。
しかし日本銀行の黒田総裁は「金融緩和に深堀りの余地はある(まだ金利を下げる可能性)」との見解を示しています。
銀行も儲けを出さなければいけません。顧客を逃がさないために低金利で貸したいのが本音ですが、すでに金利は限界点。
銀行は政策金利と儲けの板挟みですが、どちらにしても現在の短期プライムレートより下がるのは少々考えづらいのが現状です。
アパート経営のローン借り換え相談は「地元」と「生保」!?
前章で一般的なアパートローンの金利をご紹介し、そのうえで「2.875%」が借り換えの目安とお伝えしました。実際、2.875%より低い金利でアパート経営のローンを借り換えられそうな金融機関がふたつあります。
【1】「地元の信用金庫・信用組合」でアパート経営のローン借り換えができます!
昨今、アパートローンの貸し手として「信用金庫・信用組合」が注目されています。
信用金庫と信用組合を超わかりやすく説明するカニ
どちらも地元密着型の金融機関だけど、信用金庫のほうが活動エリアは広いよ
信用金庫や信用組合がアパートローンの借り換えで注目される理由があります。
- 営利を目的としないため親身な対応である
- 地元密着型であり柔軟に対応してくれる
- 低い金利で融資を受けられるケースが多い
アパートローンといえば、地方銀行が積極的に融資してくれることで有名です。
ただ2018年に大騒動になった地方銀行と不動産会社による書類改ざん事件の数々……
金融庁からのお達しで地方銀行のアパートローンは借りづらくなっているみタイ
信用金庫や信用組合に相談し、なんと「1%」という低金利で融資を受けられたケースも多く報告されています。もちろん、新規だけでなく借り換えも同様です。
ただし民間の銀行に比べて、信用金庫と信用組合は融資を受けられるエリアが狭いのが難点。
信用金庫や信用組合は、よい関係を築けると非常に柔軟な対応で融資の相談ができます。アパート経営でローンの借り換えを考えるなら、信用金庫や信用組合は候補に入れたほうがよいでしょう。
【2】「生命保険会社」にもローンの借り換えを相談してみよう!
あまり話題になりませんが、実は「生命保険会社」もアパートローンの融資をおこなっています。
比較的よく知られているのが「フコク生命」のアパートローン。金利は「1%前半」と低い水準で提示されています。
画像引用:フコク生命 フコク生命のアパートローン・住宅ローン
画像引用:フコク生命 フコク生命のアパートローン・住宅ローン
銀行などの金融機関で1%前半の金利は、確実な実績と良好な関係が築けていないと実現できません。
貸し出し条件が新規の借り入れのみか、借り換えも含まれているかは問い合わせが必要です。ただ本気でアパート経営のローン借り換えを検討するなら、一度相談してみてはいかがでしょうか。
では、いよいよアパート経営のローン借り換えに向けて動くカニ
ちょっと待って! 確認しなければいけない点があるみタイ!
アパート経営のローンは借り換えられそう?「判断基準」と「審査の準備」
アパート経営のローン借り換えで準備すべき書類は、だいたい決まっています。ただ書類を用意したからといって、必ずアパート経営のローンを借り換えできるわけでありません。
以下のポイントをあらかじめ確認しましょう。
- アパートの資産価値はどのくらいか
- アパートローンの返済状況や残高はどうか
- アパート経営の状況はよいか悪いか
つまり「資産価値の高い物件を」「ローンの滞納もなく」「順調に運営できている」という前提なら、アパート経営のローンを借り換えできる可能性が高まるのです。
上記が確認できて、はじめて以下の書類を用意します。
ローンの借り換えでもっとも大事なのが「アパートの資産価値」だよ
どうやって計算するカニ?
借り換えで大事な「積算価格」の計算方法
低い金利で借り入れできるとわかっても、必ず希望額の借り入れができるわけではありません。銀行はアパート経営の業績などもみますが、基本的にはアパートを担保にお金を貸します。よって担保となるアパートの資産価値が、借り入れできる上限額と考えましょう。
アパートの資産価値は、主に「積算価格」で評価されます。
【計算方法】
土地面積 × 路線価 = 土地の価格 建物面積 × 再調達価格 × (残りの耐用年数 ÷ 耐用年数) = 建物の価格 土地の価格 + 建物の原価 = 積算価格
上記の計算で算出された金額が、借り換えで融資を受けられるだいたいの上限額となります。
アパート経営のローンは借り換えるべき?「シミュレーション」で確認!
では資産価値の高い物件を所有していて、現在より低い金利で融資が受けられるとしたら、今すぐにでもアパート経営のローンを借り換えるべきでしょうか。
結論は「借入額が多くて返済期間が長いなら借り換えを検討すべき」です。
実際に借入額が少なくて、返済期間が短いローンの借り換えをシミュレーションしてみましょう。
現在(金利3%) | 借り換え(1.5%) | |
残りの返済期間 | 10年 | |
残りの返済額 | 1000万円 | |
返済額(月) | 9万6千円 | 9万円 |
返済額(年間) | 116万円 | 108万円 |
総返済額 | 1,160万円 | 1,078万円 |
総返済額は8万円が削減、月の返済額でみるとたった6千円の減額です。
借り換えのメリットや効果が薄いみタイ……
ローンの借り換えは、さらに「司法書士報酬」「銀行に払う手数料等」で数十万円必要カニ……
では残りの返済期間が長くて、返済額も多い場合で検証してみましょう。
現在(金利3%) | 借り換え(1.5%) | |
残りの返済期間 | 25年 | |
残りの返済額 | 3000万円 | |
返済額(月) | 14万円 | 12万円 |
返済額(年間) | 170万円 | 144万円 |
総返済額 | 4271万円 | 3,600万円 |
総返済額は、実に600万円も減額。さらに毎月の返済額は2万円も減りました。
毎月の返済額をさらに減らしたいなら、返済期間を延ばしてもらうという方法もあります。しかし総返済額が上がります。
アパート経営のローン借り換えは、単に金利だけで判断してはダメだよ
返済期間や現在の残債をみてよく検討するのが正しい方法カニ
あなたは借り換えてはいけない!アパートローン借り換えの優先順位と注意点
実はアパート経営のローン借り換えより、今ローンを返済している銀行に金利引き下げの相談をしたほうがよいケースがあります。理由は「銀行とのつき合いとローンの実績」です。
具体的には……、
- 既存の銀行で金利を引き下げられるなら、つき合いが長くできて実績がつくれる
- 銀行はローンの借り換えや繰り上げ返済をリスクとみている
- 借り換え先の銀行にもよい目でみてもらえない
金融機関は、基本的に借り換えをよいことだと思わないカニ
ローン契約時の約束と予定していた利益が台無しになるからだよ
事実、銀行が決める金利は以下のように計算されていることから、銀行が借り換えをリスクとしてみているのは明白です。
金融機関の資金調達時金利 + 貸し倒れや借り換えられてしまうリスク分 + 金融機関の利益分 = 提示される金利
金融機関は預金者以外からも貸し出すお金を調達しており、その際の金利に貸し倒れなどのリスク分を上乗せします。最終的に金融機関の利益が乗って、ようやく私たちに金利が提示されるのです。
「この人は繰り上げ返済や借り換えをする人だ」とみられたら、リスク分の金利を高く設定される可能性があります。
よってアパート経営のローン借り換えは、以下の優先順位で判断しましょう。
返済額は明らかに減るけど、今おつき合いしている銀行は融資に積極的カニ……
それなら今後の取引も考えて継続しておつき合いしたほうがいいかもね!
まとめ
ここまでの解説をダイジェストでおさらいしましょう。
- 10年以上前の金利水準で借りたローンなら借り換えを検討してみる
- 銀行以外の金融機関で借り換えを検討してみると意外なメリットが!?
- 「資産価値」「アパート経営の状況」「ローンの返済状況」が借り換えのキモ
- 金利だけでなく返済額や残債、返済期間も考慮して借り換えを判断
- 現在の銀行とのつき合いを継続したほうがよいケースもある
住宅ローンの借り換えは、一般的によい印象を持たれています。
ただアパート経営の場合、必ずしも借り換えがよい結果になるとは限りません。あくまで、あなたのおこなう「事業」に金融機関は融資してくれます。目先の利益だけを優先した安易な判断は、信用という大事な資産を失いかねません。
今回ご紹介したポイントを押さえつつ、アパート経営のローン借り換えをじっくり検討してみてくださいね!