空室対策方法12選【Wi-Fi設備や間取り替え~0円施策まで】値下げどころか値上げも可能

今のアパートの空室対策に効果はでていますか? もしかすると一般的な賃貸住宅より、もっと可能性が広がる方法があるとしたら、やってみたいと思いませんか?
「あぱたい」では、今の物件に合う本当の空室対策方法を紹介。基本的な空室対策のマニュアルをはじめ、入居者ごとに特化したさまざまな転用とその注意点、さらにリノベーションの予算別成功事例も解説します。
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空室対策の方法1:入居者ニーズNo.1はWi-Fi!人気設備を導入する
インターネット無料の設備は、全国賃貸住宅新聞が調査した「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる設備ランキング」で単身・ファミリーともに4年連続トップの設備です。
今やスマートフォン(スマホ)保有率は全体の7割以上になり、そのなかで20~30代のスマホ保有率は9割。多くの人がスマホからインターネットを使用するので、無料Wi-Fiでネット環境を整えておくのが空室対策として非常に有効です。
費用があまりかからず、24時間365日のフルサポート体制の会社を選ぶのが理想。また、導入実績も選ぶ基準として参考にしましょう。
「あぱたい」では、大家さんの体験感想による無料Wi-Fi導入のポイントを解説しています。アパート経営に無料Wi-Fiインターネット【大家の感想付】宅建士が5つのポイントを解説
無料インターネット以外に、宅配ボックスやモニター付きインターホンも入居者にとって人気の設備。
長いアパート経営を考えるなら、これらの設備を取り入れるのも視野に検討してみてはいかがでしょうか。
空室対策の方法2:信頼できる仲介業者を選ぶ
空室対策の相談をしてもピンとした答えが返ってこない、「広告宣伝料(AD)をだせば埋まりますよ」といわれても全然埋まらない。そんな大家さんは、仲介業者の見直しをしましょう。
客付けに強い仲介業者は、空室対策の強い味方。仲介業者に積極的に営業してもらうために、大家さん自身が仲介業者の役割や選び方を知っておく必要があります。
また、空室対策に強い仲介業者にはある特徴が。本当の意味で力になってくれる仲介業者の選び方を「あぱたい」が解説しています。
詳しくはこちら空室対策に強い仲介業者の選びかた【ADの裏技と仲介会社を通さない裏技】
空室対策の方法3:共有部分の掃除はメリット多数!
空室をださない方法として、大家さん自ら共有部の掃除をするアパート経営者は多いです。なぜでしょうか?
それは、内見時にまず目に入るのが共有部分だから。チラシが散らかっていたり、床に泥がついたままだったりすると内見者はまずいい気持ちがしません。
案内する仲介業者も「きれいではない物件」と判断し、次回の内見候補から外してしまう可能性だってあります。
こうして空室が埋まらないのは非常にもったいないと思いませんか?
日常の掃除業者を入れている大家さんも多いと思いますが、アパートの規模が大きくなければできるだけ共有部分の掃除は大家さんがおこないましょう。
入居者からの印象や、アパートの管理がぐっと良くなるメリットが生まれます。
大家さんが定期的に掃除をし、入居者の満足度をあげた事例はこちらアパート経営の掃除は大家がしたほうがよい4つの理由【自分と清掃業者との比較表付き】
空室対策の方法4:新築物件が埋まらない!?原因と解決策
新築物件なのに部屋が埋まらず焦っている大家さんは以下を見直してみてください。
- 強気な賃料設定
- ニーズに合わない部屋
- 営業力に乏しい管理会社・仲介業者
- 周辺に同じ間取りの新築物件がある
- 入居可能日と入居希望日が合わない
- 周辺相場を調査し、賃料や募集条件を見直す
- フリーレント期間の設定
- 募集図面(マイソク)を自作
- 仲介担当者・紹介者に謝礼金の用意など
空室がつづく影響は、さらに入居率の低下を招く可能性も。そうならないためにぜひこちらの記事参考に! 新築でも入居者が決まらない!?原因と大家がすべき空室対策の方法
空室対策の方法5:1K物件が埋まらないときはリフォームを!
1Kタイプの物件は、たとえ満室であっても空室対策を意識する必要があります。ファミリータイプと比べ戸数も多く、入退去サイクルが早めなのが理由です。
1Kで人気のリフォームランキングではバス・トイレ別がトップ。収納があるかどうかも、1Kならではのニーズです。
今の部屋に足りない設備がランクインされていたらリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくはこちら1Kワンルームの空室対策!単身者【人気リフォームランキング】大家さんが見直す3ステップ
また、退去ごとに家賃や初期費用の設定を見直すのもポイント。初期費用をできるだけ抑えたい気持ちは入居者の自然な心理です。そのため礼金を設定している大家さんは、礼金ゼロにするだけでも成約に結びつく可能性が高まるのです。
空室対策の方法6:需要が増えるサ高住への転用
今の物件がサービスつき高齢者向け住宅(サ高住)に向いている可能性があれば、効果的な空室対策になります。
少子高齢化の時代、介護までは必要ないけれどひとり暮らしがむずかしい高齢者は年々増え続けています。
高齢者のひとり暮らしは、普通の賃貸では断られるケースが少なくありません。まさにそんな入居者層をターゲットにしたアパートは、周辺物件との差別化にもなります。
サ高住に必要な条件は、専用部分の床面積が原則25㎡以上(共用の居間・食堂・台所・浴室があれば18㎡以上)で、バリアフリー構造(段差がない床・手すりの設置など)です。
一般的な賃貸住宅以上に、孤独死やケガ・事故のトラブルを考慮する必要がありますが、高齢者を対象としているのでリフォームの提案がしやすく、長期的な需要が見込めます。
「あぱたい」ではサ高住についての転用方法を詳しく解説しています。サ高住で空室対策!賃貸物件からの転用方法と今後の需要やメリット・デメリットを解説
空室対策の方法7:注目のシェアハウスへの転用
主に戸建ての空室対策に有効で、近年「コミュニティ型賃貸住宅」としてシェアハウスの需要が高まっています。
設備(台所・風呂・トイレ・洗濯機など)がシェアできれば各部屋に設置する必要もありませんので、部屋は多少狭くてもアリです。そのため安い家賃設定が可能になり入居者が増え、結果的に収入アップにつながります。
コミュニティ型賃貸住宅ですので、入居者同士のコミュニケーションがとりやすい環境づくりが大切。シェアハウスに入居する人は、誰かと一緒に暮らしたいと考える人が多いのです。
シェアハウス転用の注意点としては、ターゲット層や入居コンセプトの選定が重要。
例えばペット可であれば、どの動物が飼育可なのか(猫可であれば猫アレルギーの人は入居できません)。
女性のみのシェアハウスであれば、男性の立入り禁止などルールを決めておかないと入居者同士のトラブルから退去という流れに発展します。
主にシェアハウスは男性よりも女性の需要が多く、女性の入居者を増やしたい大家さんにはピッタリの空室対策ではないでしょうか。詳しくはこちら空室対策にシェアハウスは有効【転用までの5ステップ】可能な物件ダメな物件の違いとは
空室対策の方法8:遊ばせておくのはもったいない!空き駐車場を活用するには?
空室や空き家問題の解決を目的としたスペースシェアリングは、今後不動産業界に深く関わると予想され、注目を集めています。
1台分のスペースから収益を見込める駐車場シェアリング。時間貸しシステムなので、休日の店舗駐車場にも活用できます。
登録も利用者の支払いもオンラインで決済できるので、督促の必要もありません。
車6台分くらいの広さがある駐車場であれば、トランクルームや貸しコンテナがオススメ。ファミリータイプよりも、単身アパートタイプが多い地域はとくに収益が見込める空室対策法です。
そのほか「あぱたい」では空いた駐車場の活用法を紹介。必要な広さや利回りなど詳しく解説しています。駐車場の空室対策5選【月極からトランクルームまで】空いた車庫を活用するアパート経営術
空室対策の方法9:民泊で収益UP!その理由は?
2020年東京オリンピックによるインバウンドを狙った空室対策として、アパートを民泊として活用する方法があります。観光地から近いアパートは、民泊としてさらに収益が見込める可能性は大。
実はマンションよりもアパートのほうが、民泊としてメリットは大きいのです。なぜならマンションのように管理組合などの許可が必要がありません。
アパートの一室が事故物件だったとしても説明義務はなく、特区民泊以外は通常料金で貸し出せ収益が得られます。
また民泊経営では提供日数の上限が180日と住宅宿泊事業法で決められており、年間稼働率は50%を切ります。にもかかわらず、民泊は通常の賃貸事業よりも収益率は高いのです。
民泊と賃貸を比較したシミュレーションからも、民泊のほうが約30万円もの収益の差があり、満室経営を想定した賃貸よりも高い収益率をだしています。
民泊経営についてさらに詳しい解説はこちらアパート経営より民泊経営で29万の収益UP!一級建築士が4つの稼ぐポイントと3事例を紹介
注意すべき点は、近年民泊の登録数が増加しており、競争率が高すぎないエリアではじめるのがベター。
また宿泊利用者は5割以上中国をはじめとしたアジア国籍です。苦情がでないためにも宿泊者に対しルール決めも重要。周辺住民の理解を得る努力は欠かせません。
空室対策の方法10:成功に導くサブリース活用術
アパート一棟を借り上げ、一定期間の家賃保証をするサブリース。悪質なサブリース会社による問題が広まり、デメリットの情報も浸透してきました。
しかし、本来サブリースは大家さんにとってメリットがあるのも事実。成功に導くサブリース活用は大家さん次第といっても過言ではありません。
- 入居者募集から管理までなにもしなくても家賃収入を確保できる
- 空室があっても家賃が保証され、毎月安定した収入を確保できる
- 家賃滞納など、入居者の対応から解放される
逆にサブリース事業はどの点に注意すればいいのでしょうか?
- 兼業でサブリース事業をおこなっておらず立地動向調査やマーケティング調査など、リーシング事業に長けている会社を選ぶ
- 新築アパートは全国賃貸経営補償機構の「空室補償」も検討する
- 家賃保証の免責期間から収支のシミュレーションをする
- 契約までに曖昧な問題は絶対に残さない
- 本当にサブリースが必要なのか見直す
サブリースは家賃減額が前提で、満室であっても収入は通常家賃設定の8割~9割。空室対策として安易にサブリースを選択するより、ほかの空室対策を駆使し自身でアパート経営したほうが収入アップになる可能性は十分にあります。
空室対策を実践してみたけどそれでも埋まらない……。
そんな大家さんのために「あぱたい」では、空室対策支援に強いサブリース事業会社を厳選。サブリースのリスクやその回避法も詳しく解説しています。空室対策にサブリースを活用【おすすめ会社5選】意外と知らないリスク回避3つの方法
空室対策の方法11:店舗退去は大きな損失!改善点をチェック
店舗やテナントは賃貸住宅と違い、大きな家賃収入となります。そのため空室がつづけば、それだけ大家さんの負担は大きいもの。
店舗退去を防ぐためにも、日ごろから対策を検討しておく必要があります。
- 家賃の相場は年ごとに把握し、築年数や周辺の競合店舗と比較して家賃の見直しをする
- 用途地域内で許可されている営業可能な業種を増やし、募集の枠を広げる
- 借主の原状回復や修繕負担を軽減し、居抜き物件も検討する
- 区画を分割して借主の属性・幅を広げる
- 店舗外の清掃を徹底する
【賃貸アパートを事務所として貸し出すメリット】
- 賃貸住宅よりも利回りが高い
- 賃料単価が高いので収入アップが見込める
注意点としては契約書の変更、保証金額の設定、賃料設定の見直しが必要に。借主とのトラブル回避のためにもポイントを抑えた計画が重要です。
詳しくはこちら店舗の空室対策【新提案】テナント募集で困らない4つの改善方法!賃貸契約トラブルを防ぐ3つの予防線
空室対策の方法12:ニーズにあった間取りへチェンジ

ここではニーズに合わなくなった間取りを需要の高い間取りにリノベーションをして、見事入居率アップに成功した事例を紹介します。
和室を人気の洋室へ
和室は部屋の湿度を調節してくれるスグレものですが、どうしても「古い」といった印象はマイナスイメージととらえる人が多いのが現実。
【畳だけをフローリングにし、壁やふすまなどはそのまま残す】
9万円前後
費用が一番抑えられ、畳だけでもずいぶん印象は変わります。また、カーペットはフローリングよりも3~4万円ほど安くなります。
【畳、壁、天井を洋室にする】
16~31万円前後
室内すべてを洋室にし、和室の名残を完全になくします。床だけのフローリングより、費用はかかりますが割引が適用できるケースもあります。
【和室を丸ごと洋室にする】
75~100万円前後
和室を使いやすい洋室にリフォーム。床や壁・天井はもちろん、収納や建具の細部まで丸ごと変えます。
間取り変更での成功事例
- 築年数が経ったワンルームアパートは空室期間の長引きが懸念されがち。
内見者の意見を取り入れ、キッチンと居間の間に仕切り扉を設置し、間取り変更を実行。費用も安価で施工後すぐに入居者が決定!
- 1年半空室だった古いアパートを、部屋のレイアウトがしやすいように可動式の棚を搭載。
脱衣場としても活用できる洗面室を間取りに加え、さらにシステムキッチンをはじめとした人気の設備を取り入れ入居が決定した。
間取り変更時の注意点
リノベーション費用は築年数によって変わり、事前の見積もりの確認は必須です。リノベーションの規模が大きければそのぶん費用も高額。
効率のよい空室対策をおこなうためには?
- 空室対策の予算を設定する
できる範囲で効果的な空室対策がベスト。そのあとのアパート経営に響かない予算設定が重要です。
- 次回の参考として空室対策の効果を確認する
「対策をした⇒成約につながった。」ここで終わりにしてはいけません。空室対策はアパート経営に不可欠な課題。次回につなげられるよう対策効果をしっかり確認します。
空室対策の予算を設定する
無料~予算少なめ | ・初期費用額を抑える、入居条件の緩和
・共有部分清掃の徹底 ・管理会社・仲介会社の見直し ・募集チラシの見直し・写真の再掲載 |
ある程度の予算
(50万円程度) |
・安価なリフォームや設備を追加 |
かなりの予算
(100万円~)
|
・間取り変更や3点ユニットバスの分離など
・大規模修繕 |
無理な空室対策をして、費用を回収できなければ本末転倒です。あとの経営が困難になる可能性があるやり方は避けるのがベターでしょう。
空室対策の効果を確認!次回への参考に
空室対策の効果の有無がわかるのは、成約したときだけに限りません。とくに不成約による内見者の意見が重要。物件の反響を徹底的に把握し、見直せる部分があれば次回の空室対策に活かす材料となります。
まとめ
効果的な空室対策は、物件・立地・築年数とさまざまな背景によって方法も変わってきます。また、大家さんひとりで空室に悩む必要はないのです。
予算を照らし合わせながら信頼できる仲介会社・管理会社、そして内見者のフィードバックを一つひとつ改善していきましょう。