「長期入居」がアパート経営の空室率を下げる!【2019年】都道府県別の空室率ランキング

本は年々、空き家や賃貸の空室が増え続けています。

空室率の原因は建物の老朽化や所有者の高齢化などさまざまですが、空室を改善したい意欲的な大家さんも多いはず。

あぱたい王子
あぱたい王子
空室率が低いアパートを実現するために、長く住んでくれる入居者がほしいのは大家さんの願いですよね?

「あぱたい」では都道府県別の空室率(マクロ視点)とその理由を分析し、所有物件の空室率(ミクロ視点)の正確な数字を算出。さらに長期入居を実現させるためにどうしたらいいのか、高い空室率を実現している実例を交えながら解説します。

【2019年版】47都道府県|賃貸住宅の空室率ランキング!

【2019年版】47都道府県|賃貸住宅の空室率ランキング!

まず賃貸住宅の空室率を47都道府県別でみてみましょう。

以下の表は総務省統計局が5年に1度調査している「住宅・土地統計調査」から算出した空室率です。なお空室率は「賃貸用住宅の空き家数」を「共同住宅の総戸数」で割った数値になります。

共同住宅とは? 
1棟のなかにふたつ以上の住戸がある住宅

あぱたい王子
あぱたい王子
都道府県別の空室率をランキングにしたよ

都道府県別空室率ランキング

出典:平成30年住宅・土地統計調査

本来は「賃貸用住宅の総戸数」と「賃貸用住宅の空き家数」で算出すべきですが、今のところデータは公開されていません。ただ賃貸住宅ではない共同住宅もそう多くありませんので、おおむね上表のとおりと考えていただいて差し支えないでしょう。

タシカニ
タシカニ
さらに空室率が高いエリアと低いエリアの原因を探ったカニ!

空室率が高いエリアの原因

  • 駅から遠い
  • 都市部から近く人口が流れやすい地域
  • アパートの所有者に高齢者が多い(農家など)
  • 入居者の退去と老朽化で新たな入居者を確保できないまま放置
  • 相続しても固定資産税や解体費を払えず放置

空室率のランキング上位は、都市部から少し離れた地域が目立ちます。

栃木県宇都宮市では、宅地開発された土地を持つ多くの地主が、相続対策のために入居者ニーズを無視してアパート建設したためと言われています。空室率が高くなったひとつの原因と言えるでしょう。

また宇都宮共和大学で講師を務める西山弘泰氏は、研究レポートで以下のように述べています。

戦後,市東部には大規模な工業団地が立地した。それらの周辺には従業員やその家族のために住宅が建設され,時間の経過とともに空き家となり,数も増えている。

引用:宇都宮市における空き家の特徴と発生要因

あぱたい王子
あぱたい王子
高度経済成長期に建てられた工業団地が、空室率の高さに影響しているんだね

 

空室率が低いエリアの原因

  • 地方から人口が流れてきている
  • アパート需要の高いエリアが多い
  • 新築・築浅アパートの数が多い
  • 退去と入居の回転率が高い

空室率がもっとも低い沖縄は出生率も高く、国内から移住するひとも多数。唯一地方で人口が増え続けている地域といえます。

東京・神奈川・福岡は、学生や若者も多い都市部です。マンションよりも比較的安価なアパートを借りるひとも多く、アパートの空室率が低いと考えられます。

 

アパート経営の空室率は3つにわけて考えられる

アパート経営の空室率は3つにわけて考えられる

アパート経営に限らず、一般に言われる空室率は「マクロ視点の空室率」「ミクロ視点の空室率」にわけて考えるのが重要です。

さらにミクロ視点の空室率もふたつの考えかたにわけられます。よって各メディアの伝える空室率が、果たして「どのような計算で算出された空室率か」を把握しないと見当違いな空室対策をしてしまいかねません。

あぱたい王子
あぱたい王子
ではマクロとミクロで考えるアパート経営の空室率を解説するよ

タシカニ
タシカニ
3つのうち、ひとつのマクロ視点とふたつのミクロ視点があるカニ!

マクロで考えるアパート経営の空室率

前章で述べた空室率は「全国の空き家数 ÷ 全国の借家数」から算出した都道府県ごとの空室率。つまりマクロ視点の空室率です。

マクロ視点の空室率は、その地域の人口推移や住宅の着工数などをみながら賃貸アパート全体で需給を考えます。

自分の所有するアパートの空室対策を考える、もしくはこれからアパートを購入するなら必ずマクロ視点での空室率から確認していく作業が求められます。

あぱたい王子
あぱたい王子
マクロである日本全体の空室率をみたうえで、次はアパートごと(ミクロ視点)の空室率をみていくよ!

 

ミクロで考えるアパート経営の空室率

ミクロでみた空室率は部屋の全体数に対して、住んでいない部屋が占める割合を指します。計算式は以下のとおり。

所有物件の空室数 ÷ 所有物件の総戸数 × 100 =空室率

例えば以下のアパートで空室率を計算してみましょう。

  • 全7戸のアパート
  • 空室:3室

計算式に当てはめると「3室÷7戸×100」ですから42.9%の空室率になりますね。

タシカニ
タシカニ
入居率は57.1%カニ!

しかし、この計算式では短期(そのときだけ)の空室率しか算出できません。3室の空室期間が同じではなく、1室が3か月、2室が1か月の空室なら、さきほどの計算式では正確な空室率を算出できないのです。

あぱたい王子
あぱたい王子
空室のタイミングがそれぞれ違うと空室率も違ってくるね

そこでアパート経営では長期的な空室率も算出しなければいけません。長期的な空室率とは、年間の稼働に対する空室率で以下のように計算します。

(空室数×空室月数)÷(全室数×12)×100 = 長期(年間)の空室率

さきほどのアパート例を計算式に当てはめてみましょう。

(1室×3か月)+(2室×1か月)÷(7戸×12か月)×100=5.9%の空室率

タシカニ
タシカニ
入居率は93%カニ!

空室率は短期的な計算式よりも、アパートの実情も含めた数字を算出しましょう。

 

実例紹介!駅徒歩30分でも低い空室率を実現する賃貸住宅

実例紹介!駅徒歩30分でも低い空室率を実現する賃貸住宅

空室率の高い都道府県は、駅から遠かったり高齢化が進んでいたりする地域であると最初にお伝えしました。共働き世帯も増えているため、当然と言えば当然と言えるでしょう。

ただ「家でなにかをつくりながら暮らす」というコンセプトで、駅から28分という立地にもかかわらず、高い入居率を実現しているアパートがあります。

ツクルメの家

画像引用:ツクルメの家

東京都東久留米市にある「ツクルメの家」。畑や工具を共有でき、獲れたての野菜でつくったランチを楽しんだり、夜は外の囲炉裏を囲いながら入居者同士でビールを飲んだり。

入居者はファミリーだけでなく、夫婦・友人同士などさまざま。それぞれ違う生活スタイルをもった入居者同士と、コミュニケーションをとりながら生活できるのが人気の理由です。

管理業者のひとりが入居者で、誰よりもアパートを知っている人がいるのは入居者にとっては安心材料。ほかの入居者や大家さんとの距離も近く、良好な関係を築けています。

そのほか徒歩圏内に保育園・幼稚園・学校・公園があり、ほどよく自然を感じられる環境は、まさに理想のファミリー向けアパートと言えるでしょう。

ツクルメの家

画像引用:ツクルメの家【画像一覧】

専有部は2~3人が暮らせる2LDKのメゾネットタイプ。道路側ではなく敷地側(畑)にベランダがあるため防犯にもなり、日当たりも良好です。

室内はDIYができるよう強化ボードが設置され、壁は下地のまま。共有部分に広いウッドデッキがあるので、家具もつくれます。まさに自分で生活を「つくる」コンセプトです。

あぱたい王子
あぱたい王子
自分でつくるって愛着わくよね

タシカニ
タシカニ
タシカニ! こんな部屋に住んでみたいカニ~

わたしの経験上、ファミリーや友人同士の入居は駅から距離よりも、物件の雰囲気や周辺環境を重視しているひとが多い印象です。

駅から遠いアパートの大家さんはご紹介したような事例を参考にしていただきつつ、入居者ニーズに合わせた部屋づくりを検討してみてはいかがでしょうか。

 

アパート経営の空室率を下げるのは「ずっと住んでいたい住宅」

今後も空室率があがっていくと予想される日本。

いっぽう、ワークライフバランスの重要性や働きかた改革などで自分の時間の使いかたを見なおすひとが増えており、それは今後も増えるだろうと予想されます。

“家にいる時間を大事にしたい。そのために部屋は快適にすごしたい。”

そのときだけの空室解消ではなく「ずっと住んでもらう」のが本来の空室対策。「住む」から「暮らす」へニーズの価値観が変化しているのは、前章の賃貸住宅をみれば明白です。

あぱたい王子
あぱたい王子
立地以外で空室率が低いアパートの共通点をあげてみたよ

  • DIYなど自分の好みにつくれる部屋
  • 女性にも好まれる部屋
  • 新しさよりも馴染みやすさ
  • シェアできる共有アイテム・スペース

駅が多くある都市部などは、駅が近いだけで入居率が高くなるアパートも多くあります。しかし立地を選べない、築年数が経っているアパートなどは上記のような部屋づくりが空室対策として重要です。

新しいものはいつか古くなり、そのつど手を加えていかなければ空室率の低下につながりません。

差別化を図ろうと安易に家賃を下げる、設備を新しくするなどミクロ視点によるアプローチだけでは正しい空室対策とは言えないでしょう。

アパートの空室率を下げる真の差別化は、入居者の「暮らし」に注目したアプローチから生まれるのではないでしょうか。

 

まとめ

筆者であるわたし自身、駅から15分離れた築30年も経った軽量鉄骨アパートに約6年間入居していました。「部屋の塗装ができる部屋」を探していて、内見で大家さんに許可をもらってキッチン・リビング・寝室と自分好みの色にできたのが決め手。原状回復費の借主負担は絶対でしたが、敷金2か月で賄えました。

今でも「結婚していなければずっと住んでいただろうな」と思うほど気に入っていた物件です。

本当の差別化とは一過性のステキな部屋ではなく、長く住みたいと思える住まいづくりが可能な家。ぜひ、そんなアパート経営を目指してほしいと思います。