アパート経営では修繕積立金が肝!老朽化に伴う修繕計画と費用の作り方

アパート経営は修繕積立金が肝!修繕計画の立て方と修繕費用の作り方

アパートの経営を行っていく上で、出費として多くを占める修繕費用。税金や火災保険などの出費もありますが、意外に修繕費用には多額の出費をしなければならないときがあります。

アパートの経営計画の中で、大規模修繕をすると組み込んでいたとしても、時には予期せぬ破損や災害などが起こり得ます。

そのため、修繕計画を事前にしっかりと立てておくこと、どのくらいの費用が必要になるのか検討しておくこと、修繕積立金の大切さなどについて「あぱ貸」で把握しましょう!

マンション以外でも必要な「修繕積立金」とは

修繕積立金とは何か紹介します。

分譲マンションを購入し入居した際には、管理費と修繕積立金というものを毎月必ず支払わなければなりません。費用はマンションを管理している管理会社に支払います。

修繕積立金とは、マンションの経年劣化に伴い、適切なメンテナンスをして修繕を行っていくための費用です。毎月の貯金というイメージです。

屋根の防水や外壁の塗装、手すりなどの整備、集合郵便受けの交換、排水管の入替えなど様々な修繕工事の費用として当てられています。

マンションだけでなく、賃貸の戸建てやアパートなどの建物にも同じことが言えます。マンションの場合には入居者が負担していますが、賃貸の場合には大家さんが負担すべき部分です。

入居者に故意・過失がない場合の破損、経年劣化による修繕などはすべて大家さんの負担となります。そのため、修繕積立金は大家さんがしっかりと計画をたて貯蓄しなければなりません。

なぜ必要?積み立てる理由とメリット

修繕積立金がなぜ必要なのかメリットを合わせて紹介します。

鉄筋コンクリート造でも木造でも鉄骨造でも、どんな建物であっても時が経てば劣化していきます。

劣化してそのままにしておくと、入居者が入らず空室が続く、ひどくなると監査が入る事態を招きます。

室内の経年劣化による修繕やリフォームも必要ですが、外壁や屋根などの工事となると多額の費用が必要となりますね。その際に、大きな出費をして経営が赤字になってしまったら目も当てられません。

アパートにおける修繕費用は、後に必ず支払うことがあるお金なのですから、事前に積み立てておく方法がおすすめです。経営においても先が見通せますし、いざというときに安心ですね。

アパート経営において修繕積立金が必要な理由は明白であり、また積み立てることのメリットもたくさんあります。

アパートでも修繕積立金が重要な理由

最大の理由としては、将来何が起こるか分からないので、しっかりと積み立てておくと安心して経営ができるからです。修繕の積み立てをするかどうかは大家さん次第です。

しかし、ほとんどの大家さんは毎月の収入である家賃から数%を修繕積立金としてプールしています。大規模な修繕が必要となったときには、工事費や修繕費に驚くほど膨大な費用がかかることがあります。

それをすべて手出しで行わなければならないとなると、大家さんの負担はとても重たくなってしまいますね。お金に余裕がない場合には修繕できず、空室が続き、経営が上手くいかないと悪い方向へ進んでしまいます。

最悪の事態を招かない為にも、アパート経営をする際には、必ず修繕積立金を毎月、計画的に貯蓄していく必要があるのです。

積み立てておくと得られる6つのメリット

せっかくの家賃収入を得たのに、その何割かを将来の経営のために積み立てるとなると、嫌だなと感じてしまう経営者の人もいらっしゃるでしょう。積み立てなくても、その時に対応できると考える方もいます。

しかし、積み立てておくことで得られるメリットも多くあるのです。修繕費用を積み立てようか迷っている方も、まずは良い面を知って、前向きに積み立てを検討してみてください。

【その1】大規模修繕費の負担を軽減できる

大規模な修繕とは、主に外壁の塗装や屋根の修理、部屋のリノベーションなどが当てはまります。外壁の場合には、足場を組むところから始まるので、想像以上に費用が必要です。

アパートの外壁は多額の費用がかかるので大家さんも懸念しがちですが、入居率や資産価値の低下に繋がる大切な部分なので、しっかりと行う必要があります。

目安として、外壁の塗装部分の塗り替えは8年から15年を目安に行います。相場として、一般的な2階建てのアパート(500㎡)の場合、300万円ほどかかります。さらに、足場代がプラスされます。

業者や地域、建物の劣化具合によっても金額に差があるので、修繕計画を立てる際には、どこの業者に依頼するのか、金額はどれくらいかかるのか調べておくとよいでしょう。

【その2】将来の修繕計画が立てられる

修繕費用を積み立てしておくことで、将来の修繕計画やアパートの経営計画がとても立てやすくなります。大規模な修繕としては、ある程度の年数を目安に周期を決めておきます。

中古物件の場合には、購入直後に修繕が必要な場合もあるので、事前に修繕履歴を確認しておくことも大切です。いつ頃に修繕が必要なのか目安をたて、修繕計画を経営方針に組み入れておくとよいでしょう。

その際に、どのくらいの費用がかかるか予算を考えます。その予算を貯蓄するためには、毎月どのくらいの積み立てが必要なのかを算出して、毎月の積立金を決めておきましょう。

大規模修繕費用だけでなく、退去時のリフォーム代や入居中の部屋の設備のトラブルなどにも対応できるように、少し多めに積み立てをしておくと安心ですね。

【その3】資産価値を維持できる

積み立てをすることが資産価値を維持できることに繋がります。それは、外壁や屋根、様々な設備などを定期的に綺麗にし修繕していくことで、資産価値を維持できるからです。

積み立てをしておくことで、計画的に修繕を行うことが可能になりますね。すると、計画的・定期的な修繕を行うことができるので、アパートも綺麗な状態が保たれることになります。

どれだけ立派なアパートだとしても、やはり壁がボロボロになったり屋根から雨漏りしたりすれば、次第に見た目もボロボロの物件になってしまいます。古くても定期的な修繕があることで、資産価値は維持されていくのです。

さらに、大家さんが定期的なメンテナンスを行っていることは、これから入居しようか検討している人や入居者にもしっかりと伝わります。ボロボロでゴミも落ちている物件よりも、丁寧に修繕された物件が良いと思う人は多いでしょう。

入居率も上がり、空室が少ないアパートとなるので、収益の良い資産の高い物件とみなされるのです。

【その4】管理とキャッシュフローを意識できる

キャッシュフローとは、現金の流れのことで、実際に得られた家賃収入から、リフォームや修繕・税金や保険などで出ていく支出を差し引き、手元に残る資金の流れを表します。

アパート経営において、キャッシュフローは空室率や経費も反映されているので「利回り」とは違います。しかし、いかに手元に資金が残るのかを考えることは、アパート経営にとって一番大切なことです。

将来どれだけ修繕費用が必要なのか、どのように管理体制を整えていくのか、キャッシュフローはプラスになるのかなど意識しなければなりません。大規模修繕に向けての積み立てをすることは、自然と将来の管理とキャッシュフローも考えることになるのです。

【その5】いざというときの費用に転用可能

大規模修繕費用として積み立てをしてきたとします。それは、大家さんが自分で「大規模修繕費用」と題して積み立てをしているだけであり、絶対に修繕費用にあてなければならないということではありません

マンションの場合においては、毎月の修繕費用は必ず修繕に当てられています。しかし、アパート経営の場合はそうではないので、いざというときの費用に転用することができます。

例えば風水害や漏水、火災の場合には保険もでますが、その前に修繕を急がなければならない場合も多くあり、家主が一時的に立て替えて支払いをしなければなりません。また、アパート自体の電気水道の不備にも対応しなければなりません。

ちょっとした設備の交換などでは済まずに、大きな出費が必要となる事態は意外と多くあるのです。そんなときでも立て替えられるように修繕費積立が大切になってきます。

【その6】入居者の意識向上にも繋がる

たとえば、修繕をせずボロボロになってしまったアパートに誰かが落書きやポイ捨てをしたとします。そのままにしていると、同じことをする人は増え、次第にアパート全体が悪い雰囲気となってしまいがちです。

しかし、定期的な修繕を行うことで、アパートの共用部分は綺麗な状態で、外壁もきれいであれば、入居者も「綺麗にしなきゃ。」とアパートを大切にしてくれ、意識向上に繋がります。いくら古い物件であろうとも同じことが言えます。

入居者の意識が変わると、今後入居してくる人も同じ意識を持っている人が入ってくる確率も上がり、クレームや騒ぎの少ない入居者で落ち着いた経営ができることにもなるのです。

注意!修繕積立金は経費計上できない!?

修繕積立金は経費計上できないので注意しましょう。

一般的にアパート経営において認められる経費は、支払いの利子、減価償却費、損害保険料、旅費交通費、通信費、宣伝広告費、管理委託費、水道光熱費、修繕費、租税公課などが挙げられます。

この中に修繕積立金の費用は含まれていません。積み立てはしていますが、実際に修繕工事は行われていないので経費計上できないのです。経費計上できない費用もあり、しっかり把握をしていないと後に問題点となってしまいます。

しかし、実際に修繕工事が行われた際に、「修繕費」として経費計上することは可能です。経費として計上できないという点を踏まえた上で、アパートの経営方針を決めていきましょう。

平均的な修繕費と修繕計画の立て方

修繕計画の立て方を紹介します。
これから修繕積立金の計画を立てようとしているのであれば、どのくらいの費用が必要になるのか正しく見積もることが大切になってきます。修繕の年数や金額は物件において違うので、個人では判断が難しい場合も多いのです。

そこで、目安として平均的なアパートの修繕費用を比較することで、修繕計画を立てる際の目安として参考になるでしょう。建築診断や管理会社などへの相談も大切となり、一人ですべての計画を立てないようにしましょう。

所有する物件別の修繕費用を比較

まずは、不動産の物件別に修繕費用を比較してみましょう。鉄筋コンクリート造や木造アパートでも耐久性は違い、修繕の周期も費用も違います。修繕計画を立てる前に、どのくらいの費用が必要になるのか、まずは目安を知っておきたいところです。

所有する物件や購入予定の物件の造り、建築年数、以前の修繕した日や費用なども参考にしながら、修繕計画を立ててみましょう。

鉄筋コンクリート造り(1K/10戸程度)

まずは、頑丈な造りである鉄筋コンクリート造りの場合の修繕費用の目安です。5~10年目を目安にベランダや階段・廊下の塗装、室内整備などを行うとすると、1棟当たり約80万円程必要です。

11~15年目には屋根や外層の塗装、吸音器や排水管の洗浄などがあるので、1棟当たり510万円程見積もります。更に20年後には屋根や外壁の塗装、ベランダや廊下の塗装と防水、浴室の修理など大掛かりになってくるので、1,000万円近く程かかるケースがあります。

その後25年後、30年後にも修繕は必要となっていきます。年数が経過するほど、どうしても費用が増えていくので、中古物件を購入する際には修繕費を念頭においておきましょう。

木造(1K/10戸程度)

対して木造のアパートの場合です。5~10年目を目安にベランダや階段・廊下の塗装、室内整備などを行うとすると、1棟当たり約80万円程必要です。

11~15年目には屋根や外層の塗装、吸音器や排水管の洗浄などがあるので、1棟当たり570万円程見積もります。更に20年後には屋根や外壁の塗装、ベランダや廊下の塗装と防水、浴室の修理など大掛かりになってくるので、880万円近く程かかるケースがあります。

鉄筋コンクリートに比べると少し金額が少ない予定ですが、将来何が起こるか分からないので、鉄筋コンクリート造りと同じ金額まで見通しを立てておくとよいかもしれません。

修繕計画は建物診断と管理会社に相談が大事

修繕計画を立てる際には、自分一人ですべてを診断してしまうと、正しい計画が立てられない可能性が高くなってしまいます。そのため、建築会社に依頼し建物診断書をもらうことや管理会社に相談しながら計画を立てましょう。

何棟ももっており、修繕計画の立て方が分かる場合はよいのですが、初めてアパート経営を行うのであれば、修繕計画書ひとつでも将来の利益に関係してくるのでとても大切なのです。

建物診断は、日本住宅性能検査協会でも無料相談などがあります。国土交通省のガイドラインに基づいて、客観的に性能を評価してくれるものです。

調査内容としては、屋根・小屋裏・室内空気汚染測定・床や内壁の傾斜・外と内の壁・設備・床下・基礎・耐震性を検査します。

費用の見積もりなどは無料でできる業者もあるので、あまりお金をかけずに診断してもらいましょう。

コツコツ確実に!修繕積立金の作り方

修繕積立金の作り方を紹介します。

そもそも修繕積立金はどのような方法で積み立てていくのがよいのでしょうか?普通預金として貯蓄していくのか、定期預金で積み立てるのか、他にも何か方法があるのかみていきましょう。

お金の管理や積み立てが苦手な方でもしっかりと修繕積立金は行っていきたいものなので、おすすめの方法をピックアップしました。自分に合った方法を探し、必ずやり遂げられる方法を選択しましょう。

積立定期預金で確実に貯める

積立定期預金とは、目標となる金額をあらかじめ設定しておき、その額に達するまで積み立てていく方法です。毎月決まった日に、決まった金額を自動で積み立てしていきます。そのため、手続きは初めのみなので、手続きの面倒がありません。

用途はアパートの修繕以外にも利用でき、積み立てる理由はそれぞれなので、個人の場合でも気軽に積立定期預金ができるので、取りかかりやすい方法です。

定期預金と違い、途中で解約や一部の積立金を引き出すこともできるので、何かあったときにも使用することができます。無理なく貯蓄できる方法で、自動積立にしておくことでめんどくさがりの人や忘れっぽい人でもコツコツ貯めていくことができます。

各種保険に加入する

修繕積立金向けの保険や、オーナー向けの生命保険があります。生命保険で積み立てるプランの場合には、オーナーに万が一のことがあった場合には保険金を受け取り修繕費用として活用することができます。解約返戻金も修繕費用にあてられます。

また、保険料が全額経費計上できる保険もあり、節税対策に繋がります。しかし、一般的には解約返戻率が高いタイプの保険だと経費として認められない場合もあるので、保険加入時に相談しながら加入してください。

例えば、損保ジャパン日本興亜の場合、予算と修繕計画に合わせて、満期返戻金を自由に設定することができます。

また、法人で保険に入る場合には、福利厚生もあり、社員の病気やけがに備えることもできます。修繕費の積み立てだけでなく、役員の死亡保険金や死亡退職金なども含まれているので、保険選びはとても大切です。

修繕費が足りない!いざという時の対処

修繕積立金が足りないときの対処方法を紹介します。
大規模修繕の予定の年となり、見積りをしてみたところ、予想をはるかに超える修繕費がかかりそうであった場合、どのように対処すればよいのでしょうか?積み立てをしていたとしても、何らかの事情で引き落として使ってしまう場合もありますね。

手元にないお金を支払うのは困難です。しかし、修繕費が足りないというケースは珍しい事ではありません。他の大家さんはどのようにして乗り越えていっているのでしょうか?修繕費が足りない場合の対処方法にはいくつか選択肢があります。

リフォームローンの活用を検討する

「リフォームローン」はご存知ですか?住宅の改修や増築の資金を、銀行や住宅金融支援機構が融資してくれることで、一般の家庭でも対象となります。

リフォームローンの多くは借入上限金額が500万円に設定されています。担保が必要となるリフォームローンの場合には1,000万円以上の借り入れを行うことができる場合もあります。金額が高くなるにつれて、審査も厳しくなるので注意。

現在人気の借入先として、「イオン銀行のリフォームローン」「みずほ銀行のリフォームローン」「三井住友銀行のリフォームローン」「ろうきんのリフォームローン」「JAバンクのリフォームローン」「オリコのリフォームローン」などが挙げられます。

それぞれ金利や借り入れの上限金額、返済期間、担保の有無、連帯保証人の有無、手数料の有無などが異なります。自分に合った借入先を探してみてください。

修繕を実施する時期をずらす

予定していた修繕を、翌年や翌々年にずらすという手もあります。修繕を予定していた時期に、風水害や漏水で一時的に支出し、積立金を使用した場合などです。のちに保険金として戻ってくるので、その後、大規模修繕に取りかかっても良いでしょう。

すでに業者との打ち合わせや入居者への連絡をしている場合には、日程の変更についての連絡も早めにしておくと、スムーズに日程変更ができますね。

修繕(特に大規模修繕)の日程をずらす場合には、5~10年後の修繕の予定日をずらすことになる場合もあるので、一度修繕計画を見直す作業も必要となります。

まとめ

アパート経営における修繕積立金の重要さが理解できましたか。
アパートの経営において、修繕積立金は必要です。いざというとき、必ず来る大規模修繕のとき、5~10年ごとの修繕のときに大きな費用が必要となります。

毎月の家賃収入から少しずつ積み立て、計画的なアパート経営を目指しましょう。

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