アパート経営7つの魅力!マンションとどっちがお得?不動産経営で知りたい本当のとこ

アパート経営もマンション経営も不動産投資という面で考えると同じだと思われるかもしれませんが、両者には明らかな違いがあります。
- アパート経営は建物と土地を丸ごと購入して運用
- マンション経営はマンションの1室を所有して運用
マンションは1部屋単位で所有できるから価格もピンキリ。アパート経営は建物丸ごと購入するため高額投資になりがち。
アパート経営は土地込みで不動産を所有できるのが最大の魅力。土地さえあればアパートというビジネスの幅も広がります。アパートとマンションの違いは、単に資産規模の違いだけではないのです。
「あぱたい」ではアパート経営とマンション経営の違いを解説すると同時に、アパート経営の魅力についてお伝えします!
アパート経営はマンション経営にはない魅力がたくさんあるよ!
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アパート経営は魅力が満載!「アパート経営はするな」と言われる理由と「成功大家」の考えかた
「アパート経営はするな! 」と言われるのは、主に以下の理由があるためです。
- アパート自体が高額なためローンの借入額も多い
- 人口減少や少子高齢化による借り手の減少
- 建物の老朽化により収益が下がり維持コストは上がる
- 建物部分は20年くらいで資産価値がほぼなくなる
- 入居者トラブルによる精神的負担
ただ上記のリスクに対して、アパート経営で成功している大家さんは以下のような考えかたをします。
最初から身の丈に合わない借り入れはおこなわない。また空室が複数発生しても返済できる資金計画を立てる。場合によっては出口戦略を決めておいて、ローン完済前に売却する。
人口減少や少子高齢化による借り手の減少
ペット可や高セキュリティ設備、無料Wi-FiにDIY可といった、現代人に求められる差別化をおこなう。また空室が増えた時のために、民泊やサブスクリプション賃貸といったビジネスモデルも視野に入れておく。
建物の老朽化により収益が下がり維持コストは上がる
収益の減少は最初から見込んでおき、投資額が早期に回収できる物件価格で購入する。また大規模修繕を見越した積み立てもおこなう。
建物部分は20年くらいで資産価値がほぼなくなる
限りなく土地値に近い物件のみを購入対象にして売却損を発生させない。資産価値がゼロになっても土地という資産の売却で利益が出るように計画しておく。
入居者トラブルによる精神的負担
多く利益を得たいからといって無理に自主管理を行わず、入居者トラブルを含めて管理会社に任せる。その代わりアパート経営に付加価値を与えるための工夫に時間を費やす。
マンションにはない!アパート経営【7つ】の魅力
【アパート経営の魅力1】早期リタイヤにもっとも近い
アパート経営をはじめる人の多くは「老後は賃貸経営で余裕のある生活を送りたい」と考えます。年金以外の安定した副収入として、アパート経営はうってつけ!
総務省の「家計調査」という調査によると、高齢者で無職の世帯における支出は、1か月あたり20万2,866円だとされています。
【高齢者世帯(無職)が1か月あたりで支出する額】
食料 | 5万5,695円 |
住居 | 1万6,426円 |
光熱・水道 | 1万8,285円 |
家具
家事用品 |
7,768円 |
被服及び履物 | 5,190円 |
保健医療 | 1万2,173円 |
交通・通信 | 2万2,499円 |
教育 | 156円 |
教養娯楽 | 2万881円 |
その他の
消費支出 |
4万3,791円 |
合計 | 20万2,866円 |
参考:e-Stat「家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)」
高齢者世帯で年金暮らしの場合、最低でも20万円は必要。到底マンション1戸の家賃収入だけで確保できる額ではありません。
仮に年金が無い状態で20万円を毎月稼ぐのだとしたら、やはりアパート経営がベスト。複数戸あるアパート経営で十分な家賃収入を得ながら年金を受給できれば、老後を悠々自適に暮らせます。
マンション経営は建物の1室を運用する形態。対するアパート経営は、複数戸ある建物を運用するため収入が何倍にもなります。つまりアパート経営は早期リタイヤにもっとも近い賃貸経営なのです。
マンション経営は副収入レベルだけど、アパート経営は生計を立てるくらいの利益が期待できるカニ
【アパート経営の魅力2】高いレバレッジ効果と投資効率
最初の章で「アパート自体が高額なためローンの借入額も多くなる」とお伝えしました。ただ高額なローンを借りられるということは「レバレッジが利かせられている」という証拠。
仮に自己資金200万円用意して、以下のような物件を購入したとします。
物件種別 | 単身向けアパート
(1Kタイプ) |
戸数 | 6戸 |
家賃(戸) | 7万円 |
物件価格 | 5000万円 |
年間家賃収入 | 504万円 |
物件種別 | 区分所有マンション(ファミリータイプ) |
戸数 | 1戸 |
家賃 | 12万円 |
物件価格 | 5000万円 |
年間家賃収入 | 144万円 |
同じ価格、同じ自己資金で物件を買ったのに、家賃収入の額がまるで違います。表面利回りも「アパート10.0%」「マンション2.88%」と雲泥の差。つまりアパート経営のほうがレバレッジ効果の高い投資が可能なのです。
しかしここで、家賃7万円の1Kマンションを6戸買えばよいと思われるかもしれません。ただ少なくとも首都圏で家賃7万円が得られるマンションだと、物件価格は2000万円前後します。つまり「2000万円 × 6戸 = 1億2,000万円」となり、利回りは4.2%にしかなりません。
利回りを高くするために、築年数の古いマンションを購入する方法もあります。ただ今度は、築年数の古さから資産価値が「ゼロ」と見なされて銀行の融資が受けられない可能性が出てくるのです。融資を受けるためには、自己資金を多く用意しなければならなくなるでしょう。
つまりマンション経営は、多めの自己資金と借金というリスクを負った割には収益性が乏しいのです。
少額の自己資金で高額な資産を所有でき、マンションより高い収益を得られるのがアパート経営の最大の魅力と言えるでしょう。
1室所有のマンション経営とアパート経営は単純な収入差以外にも違いがあるんだね
【アパート経営の魅力3】人口が減少するからこそ将来的に有利
ゆっくりと、しかし確実に進んでいく日本の人口減少と少子高齢化。単に空室リスクの誘因となるだけでなく、建設業界における「人手不足」と「建設費の高騰」を併発させる可能性が高まっています。
総務省がまとめている「労働力調査」によると、2000年以降の建設業界における就業者数は減少を続けてきました。ここ数年でようやく減少傾向に歯止めがかかった印象はあるものの、増加に転じたわけではありません。
2000年には540万人いた建設業界の就業者数は、2018年までに130万人近くも減少。
【建設業界の就業者数】
※e-Stat「労働力調査」を基に筆者作成
建設業界の人手不足は、建設費や解体費用、修繕費用を高騰させます。
建築費の高騰はマンションもアパートも同じ。ただ実は「住民の高齢化」というマンション特有の非常に困った問題があります。
高齢になってから分譲マンションを購入する人、または長年そのマンションに住んでいる人は「終の住処にしたい」と考える傾向があります。すると建物の老朽化と住民の高齢化が同時に進み、以下のような問題を生じさせるのです。
- 老朽化に伴う建て替え決議が進まない
- 大規模修繕や建て替え費用が不足しがち
- 建て替えにより住環境が変わることへの不満
- 建て替え計画の内容に対する不満
つまり費用を負担してまでマンションを建て替えようと考える高齢者が少ないため、理事会での話し合いが進まないのです。さらに前述でお伝えした建築費高騰による問題もあり、日本のマンションはスラム化するとまで言われています。
ひとつの事例として、旭化成不動産レジデンス株式会社が着工をはじめる日本最古のマンション「四谷コーポラス」があります。建て替え検討から合意形成に至るまで、実に10年以上かかっているのです。
画像引用:旭化成株式会社
四谷コーポラスは1956年(昭和31年)に竣工した「日本で初めて民間企業が販売した分譲住宅」として有名な存在。2006年に築50年という老朽化を理由として建て替え決議がスタートしました。
しかし建て替え決議は住民の反対意見が大勢を占めて難航。建て替え決議が成立するまでになんと11年もの歳月がかかりました。
一方、アパート経営の場合は土地も建物も自分がオーナーです。前述のようなマンション特有のしがらみはありません。費用さえ用意できれば、建て替えや修繕について誰の許可も得ずに自分の意思で決められます。
人口減少という憂き目に遭うのが確実になった今こそ、アパート経営はマンション経営より有利と言えるのです。
アパート経営はまさに一国一城の主!
マンション経営は建物がオーナー同士の共同体だからしがらみも多いカニ
【アパート経営の魅力4】たくさんのビジネスモデルに対応できる
アパート経営は1棟丸ごとのオーナーとなるため、そのアパートの運営方法はオーナーの自由。アパート経営では普通にできてもマンション経営ではできないことは多くあります。
- 窓や玄関扉、その他共有スペースのリフォーム
- ペット可、DIY可、女性限定など賃貸条件の差別化
- 駐輪場、駐車場などの増設や使用料の変更
- 民泊営業(マンション経営は管理規約で宿泊事業禁止の場合が多い)
- その他住居以外を目的とした使用
2018年7月に公益財団法人マンション管理センターが発表したデータによると、アンケート調査をしたマンションの9割以上が民泊を禁止しています。
画像引用:公益財団法人マンション管理センター「民泊対応に関するアンケート調査」
マンション経営で民泊事業を行うのは、ほぼ不可能といっても過言ではありません。
対するアパート経営は、あらゆるビジネスモデルに対応できます。
昨今人気の「サブスクリプション住宅」を検討してもよいでしょうし、もちろん民泊も可能。土地に余裕があるなら、駐車場やトランクルーム、太陽光発電に貸しスペースなどでも収益を確保できます。
人口減少や少子高齢化の波に流されず、多彩なビジネスモデルに対応できるアパート経営。世間のライフスタイルに変化があっても柔軟に対応できるのはアパート経営ならではと言えるでしょう。
アパート経営はオーナーが自由に経営できるね
経営が失敗しても潰しが効くのも魅力カニ
【アパート経営の魅力5】経済情勢に左右されにくい
アパート、マンションなどの住居物件は経済情勢に左右されにくい特性があります。
持ち家のない人にとって賃貸住宅は最低限の生活基盤であり、景気のよし悪しは関係ありません。つまりどんな経済状況であっても一定の需要があるのです。
ただし不動産にも「価格」がありますから、経済情勢の影響をまったく受けないわけではありません。
マンションはアパートと比べると取引件数が多いため、物件価格は市場の影響を受けやすい傾向です。いざというときに担保にならない可能性もあります。
逆にマンションと比べて取引件数が少ないアパートは、株や債券のように経済情勢の影響をダイレクトに受けません。しかもアパートは土地という資産が重視されます。いざとなれば土地を担保に融資を受けることも可能でしょう。
【アパート経営の魅力6】収支をコントロールしやすい
アパート経営は家賃も管理費も料金設定は自由。リフォームも自分のタイミングでできますので、収支状況に合わせた柔軟な管理運営が可能です。
アパート経営は区分所有マンションと比べて経営戦略の選択肢が豊富。
マンションは同じ建物内のオーナー同士で管理組合を作り、一定のルールを定めます。そのうえで、月々の修繕積立金や管理費などを全戸から強制的に徴収するようになっています。またリフォームは自分の意思で施工できる部分と、管理組合の許可がないと施工できない部分があります。
つまりマンションは、オーナー同士の共同経営という色合いが強いのです。
【アパート経営の魅力7】資産価値はゼロにならない
アパート経営は、価値が絶対にゼロにならない魅力も持ち合わせています。
アパートに限らず建物は必ず経年劣化するものであり、年数が経って老朽化した建物は資産価値が下がります。ただ土地は時間の経過で資産価値が下がることはありません。
つまりアパート経営は、土地を所有しているという点で強みが大きいのです。
老朽化により建物の価値がゼロに近づくのは、アパートもマンションも同じ。だとするなら土地値に近いアパートを購入すれば、売却で損する可能性は極めて低くできるでしょう。さらに売却までに投資した金額を回収することで、売却時の土地値がそのまま利益になります。
アパート経営は現代に合った魅力的な投資
「ビジネスモデルの変化」に対応しやすいのも、アパート経営に投資する魅力。
日本の抱えるあらゆる問題に対して不動産テック※導入を考えたとき、アパート経営は柔軟に対応できます。
※不動産のITテクノロジー
不動産テックの発達も手伝い、アパートを活用する手段が幅広くなりました。
- 民泊
- マンスリー
- サブスクリプション住宅
- サブリース
- 物置スペースとしてのリース(モノオクなど)
あなたは、アパート経営に対して「木造」「見た目が悪くなる」「失敗する」というイメージを持っていませんか? ただ今後の社会情勢や日本人のライフスタイルが変化していくのを考えると「アパート経営こそ現代に合った投資」と言える部分が多くあります。
具体的には前章までに解説した内容に加え、年金2000万円問題で顕著化した老後資金問題、終身雇用の崩壊による副業の重要性が認知されはじめたことなどがあげられます。
まとめ
アパート経営の魅力をお伝えしましたが、決してマンションに魅力がないわけではありません。耐震性や耐火性の面ではマンションは明らかに優位ですし、セキュリティ面でもマンションにはかないません。
今回解説させていただいたのは、「投資」という面で見たときの機動性や可用性という部分。変化への対応や常に利益を出し続けるという点で、アパート経営は魅力が多いのです。
投資対象をアパートにするかマンションにするか、あらためてこの記事をお読みいただいてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。