アパート経営ならメゾネットを選べ!デザイナーズアパートとしての魅力や建築費を解説

あなたがアパート経営するとしたら、どんな物件ではじめたいですか?
今や通常のアパートタイプは飽和状態。空室になりやすいアパートが多いなか、メゾネットタイプのアパートは希少性やデザイナーズアパートとしての存在感が注目されています。
でもメゾネットアパートの建築費相場や、メゾネットで賃貸経営をはじめるのにどれくらい費用がかかるかイマイチわからない……そんな風に思っていらっしゃいませんか?
メゾネットタイプなら通常のアパート経営より建築費もメンテナンス費用も抑えられますよ!
今回「あぱたい」では、ほとんど解説されてこなかったメゾネットタイプにおけるアパート経営の可能性を解説。実在するメゾネットアパートの事例も踏まえた、メゾネットアパートのメリット・デメリットも詳しく解説します。
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メゾネットアパートの建築費用……実は普通のアパートより安い!
そもそもメゾネットはアパート経営に向いているのでしょうか? アパート経営をメゾネットタイプではじめる費用がどれくらいかかるのか具体的にデータでみてみましょう。
下図は2018年度政府統計の総合窓口「e-Stat」による㎡単価の建築価格です。
参考:政府統計「e-Stat」
アパート建築費を坪単価で計算する場合は、「㎡単価×3.3」で計算するカニ
通常アパートは共同住宅、メゾネットは長屋建としてアパート建築費を比較したよ!
木造や鉄骨造の建築費を比較すると、メゾネットタイプは通常アパートに比べて1割近く安くなっています。
では、実際に延床面積200㎡のアパートを建築したらいくらになるでしょうか。
SRCとRC構造でみるメゾネットタイプの価格なら、通常アパートよりも高くなります。
しかしアパートの多くは木造。軽量鉄骨でもアパート建築費が高すぎることはありません。
メゾネットタイプでのアパート経営は、木造と軽量鉄骨なら高利回りを見込めると言えます。
だからアパート経営はメゾネットがおすすめカニ
内階段のことを考えると内装費のぶん高くなるのでは?
メゾネットのアパート建築費が安い理由と詳しいシミュレーション
メゾネットタイプのアパートは、同じ延床面積でも通常アパートに比べて以下の点で大きな違いがあります。
- 戸数が少ないため、玄関ドアやバス・トイレ、キッチンなどの設備も少ない
- メゾネットは縦に空間が広がるため、外廊下や外階段などの共有部分の面積が少ない
タシカニ! だからメゾネットは建築費を安くできるカニ!
じゃあ、もっと具体的な費用が知りタイ!
では下記のモデルケースで、アパート経営をメゾネットタイプにしたときに必要な費用をシミュレーションしてみましょう。
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建築費は、前述の政府統計による㎡単価から「16万円 × 延床面積240㎡」で算出。
賃貸経営をはじめるための諸費用は建築費の10%程度が一般的ですが、多めに見積もって20%で算出しています。
なお、今回のシミュレーションには電気・ガス・水道の外部工事を含めた付帯工事費は含まれていません。だいたい建築費の2割くらいと考えればよいでしょう。
土地がない場合は、立地により大きく費用が変わるみタイ
どこにメゾネットを建てるのかもしっかり調査する必要があるカニ
アパート経営は土地あり・なしをはじめ、人気の設備やさまざまなオプションで初期費用が大きく変わります。上記のシミュレーションは、あくまで目安と考えておきましょう。
なお「あぱたい」では、アパート経営の費用や自己資金の頭金相場など、詳しく解説しています。>>アパート経営費用は?【建築費やネット導入~税理士費用など8項目】自己資金の頭金相場は?
そもそもメゾネットとは?普通のアパート経営とどう違う?
メゾネットとは、専有部分が2階層以上の構造で部屋のなかに階段がある建物です。
戸建ての賃貸より比較的安価な家賃も魅力。2階戸建て感覚を味わえるので、足音など下階に気をつかう必要がありません。
デザイン性にすぐれたおしゃれな外観も特徴のひとつで、小さいお子さんがいらっしゃる若い世代のファミリー層に人気です。
メゾネットとテラスハウスの違い
メゾネットもテラスハウスも建築基準法による明確な定義はありません。
どちらも2階層以上で内階段があり戸建て感覚を味わえる建物ですが、違いをあげるとしたら「戸建て感」の有無と言えるでしょう。
【メゾネット】
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【テラスハウス】
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テラスハウスも集合住宅のひとつですが、メゾネットよりも戸建て感が強く、共有しているのは隔てている壁くらいです。
メゾネットとテラスハウスは明確な違いがそんなにないんだね
タシカニ! 「メゾネット=テラスハウス」としてみている専門家も多いカニ!
メゾネットタイプのアパート経営を実例で紹介!
実際に、大手不動産会社が建築したメゾネットアパートの事例をいくつかご紹介します。
下の画像は “大和ハウス工業株式会社” のメゾネットアパート。玄関から独立した構造になった、全3戸の3LDKタイプです。
画像引用:【大和ハウス】メゾネットタイプ(セジュールウィット)
メゾネットタイプのアパートとしては、オーソドックスな構造です。
駐車場ありの賃貸は車所有のファミリー層にはマストですから、3LDKのメゾネットで駐車場があると入居率がアップします!
広い土地がある場合は、駐車場スペースも考慮した計画がオススメですね。
外観も戸建てのようなスッキリとした印象だね
続いては、東海3県を中心に施工している “株式会社ユニホー” のメゾネットアパート。
画像引用:【ユニホー】メゾネットタイプ賃貸アパート
全6戸で木造、間取りは2LDK~3LDKです。
スタイリッシュな外観で、清潔感があるデザイナーズアパート経営を実現できそうです。1階には専用庭、2階はバルコニーがあり、戸建ての味わいがさらに楽しめるメゾネットタイプです。
内見時にパッと目を引く外観は入居者も印象に残りやすいね!
タシカニ! 外観がいいと部屋のなかをみる期待度が高まるカニ!
最後にご紹介するのが “ミサワホーム株式会社” から賃貸併用住宅タイプのメゾネットアパートです。
画像引用:【ミサワホーム】メゾネット賃貸併用
賃貸部分は画像の左側全4戸、若いファミリー層をニーズにした2LDKタイプです。
「3LDK・駐車場あり」から「2LDK・駐車場なし」に設計を変更。戸数を増やしたことで、収益力を確保しました。
「住宅部分は収益にならない」という賃貸併用のデメリットをカバーした事例ですね。
画像からもわかるように大家部分を白色、賃貸部分を黒色というふうに外壁の色をわけています。
その結果、メゾネットの魅力である入居者同士のプライベートを確保し、個性的ながら上品な外観を実現させているメゾネットです。
アパート経営をメゾネットタイプにするメリットデメリット
縦の空間を利用したメゾネットアパートは、通常のアパートに比べ建築費用を抑えられるだけではありません。
子供の足音や声を気にしなくてすむ若い世代のファミリーには、メゾネットタイプの賃貸が好まれる傾向にあります。
マンションやアパートの空室は増えそうだし、メゾネットタイプのアパートは差別化にもつながるね
タシカニ! 通常アパートとは違うメリット・デメリットを解説するカニ
メゾネットではじめるアパート経営のメリット
- 共有部が少ないため建築費を抑えられる
- 戸数が少ないため設備投資やメンテナンス費用を抑えられる
- メゾネットタイプのアパートは少ないため、通常アパートより家賃を高く設定できる
- 上下階で騒音問題にならない
- 1階だけ空室ということがない
- 一度入居すると長期入居になりやすい
通常アパートに比べて建築費を抑えられるのは、これから賃貸経営で土地活用をしたいと思っている人にとって大きなメリットです。
それだけでなく、もともとメゾネットタイプのアパートは少ないため需要があります。
家賃が多少高くても内見候補にも入りやすく、「メゾネットだから」という理由で入居者も納得しやすいのです。
さらにメゾネットタイプのアパート経営は、入退去のサイクルが長くなる傾向。通常のアパートに比べて、空室リスクが低いのは見逃せない特徴です。
メゾネットではじめるアパート経営のデメリット
- 横に対する壁の防音性が低いと退去につながりやすい
- 1・2階があるのでエアコンの効率が悪い
- 階段のぶんだけ面積が狭くなる
- 横の幅が狭いと圧迫感をおぼえる
- 戸数が少ないぶん、空室が発生すると大きく収入が減る
メゾネットタイプのアパート経営は、共有部分の設備費を抑えられるぶん壁の防音性には費用をかけるのが重要です。
戸数が少なく家賃が高額なため、騒音トラブルで空室になると収益に大きな影響を与えます。
またメゾネットタイプのアパートに希少性があるのは間違いありませんが、必ず需要があるとも限りません。
階段の上り下りがあるメゾネットは、高齢者が多くいる地域では馴染まないでしょう。
また単身者の多い地域では需要が見込めないなど、周辺のニーズ調査が欠かせません。
まとめ
アパート経営をメゾネットタイプにしたとき、成功につながる可能性をまとめておきましょう。
- 実は通常アパートより、メゾネットの建築コストは安い!
- メゾネットタイプのアパートは希少性やデザイン性にすぐれる!
- メゾネットもテラスハウスもファミリーに人気!
- 希少性はあっても賃貸需要のリサーチは欠かせない!
共有する壁の防音性を高いものにしたり、通常のアパートと同じように空室対策したりという努力は必要です。
ただ核家族化が進む現代で、メゾネットアパートの需要は今後も高まっていくだろうというのも事実。
普通のアパート経営にはない魅力を持ったメゾネットアパート。もしこれからアパート経営をはじめるなら、メゾネットタイプを検討してみてはいかがでしょうか。